文献詳細
特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅰ.こどもの診療NAVI
文献概要
Ⅰ 疾患の概説
「めまい」という用語は,広義に用いられる場合も,狭義に用いられる場合もあるが,一般的には,「安静時あるいは運動中に,自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じ,不快感を伴ったときに生じる症状」と定義できる。人体の平衡は,視覚,内耳(前庭迷路)由来の平衡覚,固有知覚などの情報に基づき,中枢神経系において平衡感を認知し,また,姿勢の制御を行うことによって維持されている(図1)。したがって,これらの部位の不具合でめまいが生じることになるが,めまいを広義にとらえた場合,それ以外のシステム,具体的には,循環器系や心理的な問題によるものも考慮する必要がある。
一般的に,めまいを主訴として耳鼻咽喉科を受診する症例は,高年齢層に多く,小児は少数である。小児ではめまい症例自体が高齢者と比較して少ないことと,小児の場合は,めまいが主訴であっても小児科を受診することが少なくないものと考えられる。
「めまい」という用語は,広義に用いられる場合も,狭義に用いられる場合もあるが,一般的には,「安静時あるいは運動中に,自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じ,不快感を伴ったときに生じる症状」と定義できる。人体の平衡は,視覚,内耳(前庭迷路)由来の平衡覚,固有知覚などの情報に基づき,中枢神経系において平衡感を認知し,また,姿勢の制御を行うことによって維持されている(図1)。したがって,これらの部位の不具合でめまいが生じることになるが,めまいを広義にとらえた場合,それ以外のシステム,具体的には,循環器系や心理的な問題によるものも考慮する必要がある。
一般的に,めまいを主訴として耳鼻咽喉科を受診する症例は,高年齢層に多く,小児は少数である。小児ではめまい症例自体が高齢者と比較して少ないことと,小児の場合は,めまいが主訴であっても小児科を受診することが少なくないものと考えられる。
参考文献
1)室伏利久:めまい・平衡障害.神経救急・集中治療ハンドブック,篠原幸人 監修,永山正雄,濱田潤一 編集.医学書院,東京,2006,pp50-60.
2)柳田三洋子:小児めまい平衡障害に関する研究(第一編)―学童検診におけるめまい平衡障害の検討.Equilibrium Res 45:175-188,1986
3)大国真彦:起立性調節障害の診断基準と臨床.小児科臨床 58:1501-1508,2005
4)五島史行・他:小児良性発作性めまい症の臨床的特徴.日耳鼻 114:562-567,2011
5)尾関英徳・他:若年者のめまい症例の検討.Equilibrium Res 67:194-199,2008
6)Bower CM, et al:The spectrum of vertigo in children. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 121:911-915, 1995
7)国際頭痛分類第2版 日本語版.日本頭痛学会誌 31:1-188,2004
8)加我君孝:めまいの構造,改訂第2版.金原出版,東京,2006
9)Murofushi T, et al:Vestibular abnormalities in CHARGE association. Ann Otol Rhinol Laryngol 106:129-134, 1997
10)渡辺行雄・他:良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン(医師用).Equilibrium Res 68:218-225,2009
11)Lempert T, et al:A positional maneuver for treatment of horizontal canal-benign paroxysmal vertigo. Laryngoscope 106:476-478, 1996
掲載誌情報