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特集 最新の診療NAVI―日常診療必携 Ⅰ.こどもの診療NAVI
4.こどものアレルギー性鼻炎
著者: 岡野光博1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
ページ範囲:P.23 - P.28
文献購入ページに移動Ⅰ 疾患についての概説
アレルギー性鼻炎は,発作性反復性のくしゃみ,水性鼻漏,鼻閉を3主徴とするⅠ型アレルギー疾患であり,この点では小児も成人も同様である。有病率の増加が問題となっており,特に小児スギ花粉症で著しい。耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした全国疫学調査では,1998年でのスギ花粉症の有病率は0~4歳で1.7%,5~9歳で7.2%,10~19歳で16.7%であったが,2008年では0~4歳で1.1%,5~9歳で13.7%,10~19歳で31.1%となった。5~9歳では倍増し,10歳代では成人と同等の有病率を示す。
アレルギー性鼻炎では吸入アレルゲンに対する感作が必須である。遺伝的素因および環境要因の両者が寄与する1)。抗原感作率も急増している。アレルギー児においては3歳以上で半数以上がスギおよびダニへの感作を示し,非アレルギー児においても思春期には50%前後の感作がみられる2)。
アレルギー性鼻炎は,発作性反復性のくしゃみ,水性鼻漏,鼻閉を3主徴とするⅠ型アレルギー疾患であり,この点では小児も成人も同様である。有病率の増加が問題となっており,特に小児スギ花粉症で著しい。耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした全国疫学調査では,1998年でのスギ花粉症の有病率は0~4歳で1.7%,5~9歳で7.2%,10~19歳で16.7%であったが,2008年では0~4歳で1.1%,5~9歳で13.7%,10~19歳で31.1%となった。5~9歳では倍増し,10歳代では成人と同等の有病率を示す。
アレルギー性鼻炎では吸入アレルゲンに対する感作が必須である。遺伝的素因および環境要因の両者が寄与する1)。抗原感作率も急増している。アレルギー児においては3歳以上で半数以上がスギおよびダニへの感作を示し,非アレルギー児においても思春期には50%前後の感作がみられる2)。
参考文献
1)岡野光博:疾患と病態生理:アレルギー性鼻炎.JOHNS 27:1227-1233,2011
2)Masuda S, et al:High prevalence and young onset of allergic rhinitis in children with bronchial asthma. Pediatr Allergy Immunol 19:517-522, 2008
3)日本鼻科学会(編):副鼻腔炎診療の手引き.金原出版,東京,2007
4)Walker S, et al:Seasonal allergic rhinitis is associated with a detrimental effect on examination performance in United Kingdom teenagers:case-control study. J Allergy Clin Immunol 120:381-387, 2007
5)Sidenius KE, et al:House dust mites and their allergens at selected locations in the homes of house dust mite-allergic patients. Clin Exp allergy 32:1299-1304, 2002
6)del Cuvillo A, et al:Use of antihistamines in pediatrics. J Investig AllergolClin Immunol 17(Suppl 2):28-40, 2007
7)岡野光博:耳鼻科における皮下アレルゲン免疫療法.アレルギー・免疫 18:21-31,2011
8)Leong SC, et al:A review of outcomes following inferior turbinate reduction surgery in children for chronic nasal obstruction. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 74:1-6, 2010
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