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特集 最新の診療NAVI―日常診療必携 Ⅳ.音声・嚥下・睡眠の診療NAVI
2.咽喉頭異常感
著者: 齋藤幹1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.100 - P.103
文献購入ページに移動Ⅰ 疾患についての概説
喉の違和感を主訴に病院を受診する患者は多い。咽頭癌や甲状腺癌など悪性腫瘍に注意を払う必要があるのはもちろんであるが,一方で器質的な病変を認めず,診断に苦慮することも少なくない。咽喉頭異常感は「患者が咽喉頭に異常を訴えるが,通常の耳鼻咽喉科的視診によっては,訴えに見合うような器質的病変を局所に認めないもの」と定義されており1),除外診断名であるため詳細な問診ののち原因となりうる疾患を想定し,局所的,全身的な検査を行う必要がある。
喉の違和感を主訴に病院を受診する患者は多い。咽頭癌や甲状腺癌など悪性腫瘍に注意を払う必要があるのはもちろんであるが,一方で器質的な病変を認めず,診断に苦慮することも少なくない。咽喉頭異常感は「患者が咽喉頭に異常を訴えるが,通常の耳鼻咽喉科的視診によっては,訴えに見合うような器質的病変を局所に認めないもの」と定義されており1),除外診断名であるため詳細な問診ののち原因となりうる疾患を想定し,局所的,全身的な検査を行う必要がある。
参考文献
1)小池靖夫:咽喉頭異常感症へのアプローチ.JOHNS 15:167-170,1990
2)Koufuman JA, et al:Laryngopharyngeal reflux consensus conference report. J Voice 10:215-216, 1996
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4)後藤一貴・他:逆流に伴う咽喉頭異常感の薬物治療.MB ENT 63:27-33,2006
5)山下弘之・他:咽喉頭異常感症の治療.耳鼻と臨床 50:161-164,2004
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9)Seifert G, et al:Disease of the Salivary Glands, Georg Thieme Verlag. Stuttgart:27-43, 1986
10)今野昭義・他:老年者と耳鼻咽喉科.金原出版,東京:1989,pp151-160
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