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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻5号

2012年04月発行

文献概要

特集 最新の診療NAVI―日常診療必携 Ⅴ.麻痺と痛みの診療NAVI

1.顔面神経麻痺

著者: 能田淳平1 羽藤直人1

所属機関: 1愛媛大学医学部頭頸部・感覚器外科

ページ範囲:P.119 - P.122

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Ⅰ はじめに

 耳鼻咽喉科医が診療する顔面神経麻痺は大半を末しょう性が占める。末しょう性顔面神経麻痺のうち,60~70%を占めるのがBell麻痺であり,その多くは単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)の再活性化により発症する。次いで水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の再活性化により,耳帯状疱疹,末しょう性顔面神経麻痺,第8脳神経症状を呈するRamsay Hunt症候群(以下,Hunt症候群)が10~15%を占める。その他,中耳炎,顔面神経鞘腫や耳下腺癌などの腫瘍性病変,側頭骨骨折や顔面の外傷などにより末しょう性顔面神経麻痺が発症する。主な末しょう性顔面神経麻痺の原因を表1に示す。

 顔面神経麻痺の原因として,中耳炎や腫瘍病変などの存在を見逃してはならないが,高頻度なBell麻痺とHunt症候群の2疾患に対する診断と治療を中心に,本稿では解説を行う。

参考文献

1)Jongkees LBW:Nerve excitability test. Fisch U(ed):Facial Nerve Surgery. Kugler/Aesculapius, Amstelveen, 1977, pp93-100
2)高橋伸明・他:Bell麻痺におけるNETの診断的意義―ENoGとの比較検討.Facial N Res Jpn 16:121-124,1996
3)稲村博雄:顔面神経麻痺の検査ENoGとMST.JOHNS 16:341-346,2000
4)稲村博雄:アブミ骨筋反射検査.青柳優(編):CLIENT21 No. 9顔面神経障害.中山書店,東京,2001,pp100-103
5)村上信五・他:顔面神経麻痺における障害部位診断のポイントとピットフォールは?.JOHNS 24:1793-1797,2008
6)村上信五:急性末しょう性顔面神経麻痺に対する急性期の治療.日本顔面神経研究会(編).顔面神経麻痺診療の手引―Bell麻痺とHunt症候群.金原出版,東京,2011,pp55-59
7)de Almeida JR, et al:Combined corticosteroid and antiviral treatment for Bell palsy:a systematic review and meta-analysis. JAMA 302:985-993, 2009
8)Hato N, et al:Valacyclovir for the treatment for Bell's palsy. Expert Opin Pharmacother 9:2531-2536, 2008
9)Gantz BJ, et al:Surgical management of Bell's palsy. Laryngoscope 109:1177-1188, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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