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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻5号

2012年04月発行

文献概要

特集 最新の診療NAVI―日常診療必携 Ⅶ.炎症・感染症診療NAVI

5.深頸部膿瘍

著者: 黒野祐一1

所属機関: 1鹿児島大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

ページ範囲:P.201 - P.205

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Ⅰ 疾患についての概説

1.深頸部膿瘍とは

 深頸部膿瘍は頸部間隙内に生じた膿瘍で,頸部リンパ節炎,蜂巣炎とともに深頸部感染症に含まれる。一般的には頸部リンパ節炎や表在の感染部位から頸部筋膜の間隙に感染が広がり蜂巣炎となり,組織の崩壊によって生じた空洞に膿が貯留して膿瘍が形成される1)。したがって,深頸部感染の初期に適切な抗菌薬を用いれば膿瘍化することなく治癒する。しかし,いったん膿瘍が形成されれば抗菌薬だけで治癒させるのは困難で,外科的治療が必要となる。蜂巣炎にとどまるか膿瘍へと進行するかは,解剖学的特徴や起炎菌の病原性,生体防御機構の強弱も関与する1)

参考文献

1)市村恵一.深頸部感染症の臨床.耳鼻臨床 97:573-82,2004
2)市村恵一:頸部の間隙と感染波及経路.JOHNS 25:1589-1594,2009
3)藤澤嘉郎:深頸部感染症に対する抗菌薬の選び方.JOHNS 25:1635-1638,2009
4)永野広海・他:プライマリケア医が深頸部感染症を見つけるためのポイント.JOHNS 25:1602-1608,2009
5)菊池 茂・他:深頸部感染症と画像診断.耳鼻臨床 100:878-879.2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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