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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻5号

2012年04月発行

文献概要

特集 最新の診療NAVI―日常診療必携 Ⅻ.特殊疾患診療NAVI

2.Behçet病

著者: 内田真哉1

所属機関: 1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.332 - P.336

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Ⅰ 疾患の概説

 ベーチェット病(以下,BDと略す)はシルクロードに沿った地帯から,韓国・日本に多くみられる多臓器侵襲性の難治性疾患である。20~40歳以下の若年者に多く発症し,口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼症状,外陰部潰瘍の4つを主症状とし,急性炎症発作を繰り返しながら遷延した経過をとる。

 BDの報告は紀元後200年頃,中国の漢方医・張仲景により「弧惑病」として示されたといわれているが,西洋医学においてはトルコのHulusi Behçet1)により報告されたのが最初である。いまだ明らかな病因は不明だが,環境的素因や遺伝的素因などが考えられている。

参考文献

1)Behçet H:Uber rezidivierende, aphthose durch ein Virus verursachte Geschuwuere am Mund, am Auge und Genitalien. Dermatol Wochenschr 105:1152-1157, 1937
2)金子史男:ベーチェット病臨床診断基準(2003年改定).厚生省特定疾患ベーチェット病調査研究班平成14年度研究業績:11-13,2003
3)相馬良直:ベーチェット病の診断と治療.日皮会誌 119:2544-2546,2009
4)安岡秀鋼・他:ベーチェット病治療の新たな試み.日本医事新報 4458:54-59,2009
5)高原 幹・他:口腔咽頭に生じる潰瘍性病変に対する保存的療法とベーチェット病に対する扁桃摘出術の有効性.耳鼻臨床 102:240-241,2009
6)加藤和彦・他:扁桃摘出術後に血管病変の出現したベーチェット病の1例.日本臨床免疫学会誌 16:370-375,1993
7)永井哲夫・他:口腔アフタの診断と治療.JOHNS 5:958-963,1989
8)Hatemi G, et al:Management of Behçet disease:a systematic literature review for the EULAR evidence-based recommendations for the management of Behçet disease. Ann Rheum Dis 68:1528-1534, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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