文献詳細
特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅻ.特殊疾患診療NAVI
文献概要
Ⅰ 疾患の概説
Wegener肉芽腫症(以下,WGと略す)は1939年にWegenerによって報告された①上気道・下気道の巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性病変,②全身の中・小型動脈の壊死性血管炎,③腎の壊死性半月体形成糸球体腎炎の3つの病理学的所見を特徴とする全身性炎症性疾患である。発生機序に抗好中球細胞質抗体の一種であるPR3-ANCA(C-ANCA)が関与するとされているが原因は不明である。好発年齢は30~50歳代に多く性差はない。病型は上気道,下気道,腎すべてに所見があるものを完全型,腎を除いた部位に症状があるものを限局型としたCarringtonの分類と上気道(E),肺(L),腎(K),の3つの病変の有無によりE,L,EL,LK,EK,ELKの6型に分類したDeRemeeの分類がある。また重症度は1~5度までの5段階に分類した厚労省調査研究班の分類がある。治療はステロイドとシクロフォスファミドの併用療法による寛解導入療法とその後の維持療法が基本となる。
Wegener肉芽腫症(以下,WGと略す)は1939年にWegenerによって報告された①上気道・下気道の巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性病変,②全身の中・小型動脈の壊死性血管炎,③腎の壊死性半月体形成糸球体腎炎の3つの病理学的所見を特徴とする全身性炎症性疾患である。発生機序に抗好中球細胞質抗体の一種であるPR3-ANCA(C-ANCA)が関与するとされているが原因は不明である。好発年齢は30~50歳代に多く性差はない。病型は上気道,下気道,腎すべてに所見があるものを完全型,腎を除いた部位に症状があるものを限局型としたCarringtonの分類と上気道(E),肺(L),腎(K),の3つの病変の有無によりE,L,EL,LK,EK,ELKの6型に分類したDeRemeeの分類がある。また重症度は1~5度までの5段階に分類した厚労省調査研究班の分類がある。治療はステロイドとシクロフォスファミドの併用療法による寛解導入療法とその後の維持療法が基本となる。
参考文献
1)Rosai J, et al:Rosai and Ackerman's Surgical pathology 9th ed, Mosby, New York, 2004, p307
2)岸部 幹・他:Wegener肉芽腫症における上気道病変.医学の歩み 236:771-776, 2011
3)山田秀裕:難治性血管炎の新規治療法.脈管学 49:75-79,2009
掲載誌情報