耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻6号

2012年05月発行

特集 耳鼻咽喉科手術におけるナビゲーションとモニタリング

唾液腺・顔面神経

著者： 河田了¹

所属機関： ¹大阪医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.369 - P.372

文献概要

Ⅰ　はじめに

　顔面神経が関係する手術は中耳手術と耳下腺手術であるが，本稿では耳下腺手術における顔面神経のナビゲーションとモニタリングについて述べる。最近の医療機器の発達によりナビゲーションシステムが導入され始めた。しかしながらどこの施設でも使われているわけではなく，むしろ設備がないことのほうが一般的である。そこでより実際的に解剖学的な「ナビゲーション」を解説したい。安全，確実に顔面神経本幹を同定する方法，また同定が困難な場合の対処について述べる。

参考文献

1）河田　了：耳下腺腫瘍手術　困ったときの対応，耳下腺腫瘍手術で顔面神経主幹を安全・確実に見つけるには．口咽科 20：225-230，2008

2）河田　了：こんなときどうする？　頭頸部外科編．耳下腺腫瘍摘出中，顔面神経を切断してしまった！．耳鼻頭頸 83：469-472，2011

3）河田　了：耳下腺手術時の顔面神経の見つけ方は？―主幹からの立場から．JOHNS 27：1582-1586，2011

4）河田　了：カラー図説，電気メスを活用した耳下腺手術．耳鼻臨床 96：948-949，2003

5）河田　了：私が愛用する手術器具．モノポーラ電気メス．JOHNS 25：259-262，2009

6）Kawata R, et al：Safety and usefulness of an electric knife during surgery for parotid benign tumor：postoperative facial paresis and its risk factors. Acta Otolaryngologica 127：966-969, 2007

7）河田　了・他：切除不適応と判断した耳下腺多形腺腫2症例．耳鼻臨床 90：443-447，1997

8）徳丸　裕・他：耳下腺腫瘍手術における顔面神経モニタリングの有用性．頭頸部外科 18：57-64，2008

9）花井信広：耳下腺腫瘍手術と神経モニタリング．口咽科 20：231-235，2008

10）村上信五・他：耳鼻咽喉・頭頸部領域における最新の医療手技．日耳鼻 113：435-440，2010