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書評
頭頸部のCT・MRI 第2版
著者: 丹生健一1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.383 - P.383
文献購入ページに移動待望の改訂版登場
2002年に発刊されて以来,頭頸部領域の診療にかかわる多くの臨床医に画像診断のバイブルとして愛読されてきた「頭頸部のCT・MRI」の改訂版が出版された。初版から10年,この間に,画像診断の分野では多列検出器型CTや高磁場MRIなど高機能な画像診断機器が次々と開発され,診断の精度は飛躍的に向上した。病変の進展範囲を精密に把握することが可能となり,手術用ナビゲーションシステムを用いて頭蓋底浸潤を伴う進行腫瘍の切除も安全確実に行えるようになった。その一方,狭帯域光観察(NBI)が可能な内視鏡の普及により極めて早期の癌が発見され,内視鏡を駆使した非侵襲的手術が広まってきた。時代の要請から外科的治療はquality of lifeをより重視するようになり,従来,拡大手術が必須であった進行中咽頭癌は化学療法同時併用放射線治療が根治治療の第一選択となった。病変の早期発見,正確な進展範囲の把握,治療効果の判定と,画像診断の果たす役割は飛躍的に重要なものとなっている。
改訂版では,こうした大きなパラダイムシフトに対応すべく,初版の執筆者でもある頭頸部画像診断の第一人者尾尻博也先生と酒井 修先生が編集を担当し,新進気鋭の執筆者を多数迎え,最新の画像と知識を盛り込んで全面的にアップデートしている。複雑な構造をなす骨組織の中を重要な血管や神経が走行する頭蓋底を皮切りに,眼窩,鼻副鼻腔,口腔・咽頭,顎骨,喉頭,頸部と各部位ごとに解剖,生理,正常画像の解説が設けられ,続いて多様な疾患の特徴と病変の進展経路が豊富な画像やシェーマを用いて余すことなく記載されている。さらに,最終章には近年注目されている超選択的動注化学療法治療についても詳細に解説されている。
2002年に発刊されて以来,頭頸部領域の診療にかかわる多くの臨床医に画像診断のバイブルとして愛読されてきた「頭頸部のCT・MRI」の改訂版が出版された。初版から10年,この間に,画像診断の分野では多列検出器型CTや高磁場MRIなど高機能な画像診断機器が次々と開発され,診断の精度は飛躍的に向上した。病変の進展範囲を精密に把握することが可能となり,手術用ナビゲーションシステムを用いて頭蓋底浸潤を伴う進行腫瘍の切除も安全確実に行えるようになった。その一方,狭帯域光観察(NBI)が可能な内視鏡の普及により極めて早期の癌が発見され,内視鏡を駆使した非侵襲的手術が広まってきた。時代の要請から外科的治療はquality of lifeをより重視するようになり,従来,拡大手術が必須であった進行中咽頭癌は化学療法同時併用放射線治療が根治治療の第一選択となった。病変の早期発見,正確な進展範囲の把握,治療効果の判定と,画像診断の果たす役割は飛躍的に重要なものとなっている。
改訂版では,こうした大きなパラダイムシフトに対応すべく,初版の執筆者でもある頭頸部画像診断の第一人者尾尻博也先生と酒井 修先生が編集を担当し,新進気鋭の執筆者を多数迎え,最新の画像と知識を盛り込んで全面的にアップデートしている。複雑な構造をなす骨組織の中を重要な血管や神経が走行する頭蓋底を皮切りに,眼窩,鼻副鼻腔,口腔・咽頭,顎骨,喉頭,頸部と各部位ごとに解剖,生理,正常画像の解説が設けられ,続いて多様な疾患の特徴と病変の進展経路が豊富な画像やシェーマを用いて余すことなく記載されている。さらに,最終章には近年注目されている超選択的動注化学療法治療についても詳細に解説されている。
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