文献詳細
原著
上顎に発生した腺様歯原性腫瘍の2症例
著者: 平賀幸弘1 黄淳一1 霜村真一1 三澤常美2 河西八郎2 小山敏雄3
所属機関: 1山梨県立中央病院耳鼻咽喉科 2山梨県立中央病院口腔外科 3山梨県立中央病院病理科
ページ範囲:P.389 - P.392
文献概要
腺様歯原性腫瘍(adenomatoid odontogenic tumor:AOT)は,1907年Dreibladt1)によってpseudo-adenoameloblastomaの名称で初めて記載され,以後エナメル上皮腫の亜型と考えられてきた。しかし,Philipsenら2)が1969年AOTと命名し,エナメル上皮腫と異なる疾患概念であることを提唱し,その結果1971年WHO分類にAOTの名称で取り上げられた。未萌出の埋伏歯を含むことの多い,顎骨を中心に発生するまれな囊胞様腫瘍である。
今回われわれは,典型的な臨床的特徴を示したAOTの2症例を経験したので,ここに若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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