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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻7号

2012年06月発行

文献概要

原著

頸部軟部組織内を移動し摘出に難渋した魚骨異物の症例

著者: 山川博毅1 原田竜彦1 神崎仁1 佐藤陽一郎2 田代昌継3

所属機関: 1国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科 2慶應義塾大学病院耳鼻咽喉科 3国立病院機構栃木病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.477 - P.481

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Ⅰ.はじめに

 咽喉頭異物は耳鼻咽喉科外来診療にてしばしば経験する疾患である。特に魚骨異物は,骨のついた状態で魚料理を供する習慣のあるアジア圏での報告がほかの地域と比べて多い1)。異物は扁桃や舌根に存在することが多いため,大部分は直視下または咽喉頭内視鏡下に摘出が可能である2)が,稀に軟部組織内に侵入してしまい摘出に苦慮することがある。今回われわれは,咽頭粘膜に刺入し頸部軟部組織内を移動し摘出に苦慮した魚骨異物の症例を経験したので報告する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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