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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻8号

2012年07月発行

文献概要

原著

Mohs軟膏が有効であった喉頭全摘後頸部リンパ節転移例

著者: 橘智靖1 小河原悠哉1 松山祐子1 阿部郁1 中田道広2

所属機関: 1姫路赤十字病院耳鼻咽喉科 2中田耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.579 - P.582

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Ⅰ.はじめに

 Mohs軟膏は,塩化亜鉛を主成分とする組織固定剤で,皮膚の悪性腫瘍に対するchemosurgeryとして応用されている。頭頸部癌患者において原疾患の根治が難しい場合には,頸部腫瘍の増大とともに出血の反復や悪臭を伴う滲出液によって患者のQOLは著しく低下する。今回われわれは,喉頭癌術後頸部リンパ節転移からの出血,滲出液漏出に対してMohs軟膏を塗布し症状の改善が得られた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)南 和彦・他:Mohs軟膏を用いた頭頸部腫瘍の出血,疼痛制御.日耳鼻 112:550-553,2009
2)山中敏彰・他:緩和医療におけるChemosurgeryの施行例―転移性皮膚癌に対するMohs'ペーストの使用経験.頭頸部癌 35:322-327,2009
3)福辻賢治・他:巨大耳下腺悪性腫瘍症例に対するMohs軟膏の使用経験.耳鼻臨床 102:841-845,2009
4)中川英幸・他:Mohs軟膏を用いたchemosurgeryで緩和ケアを行った上顎洞癌末期例.耳鼻臨床 104:187-191,2011
5)関田拓馬・他:Mohs軟膏によりQOLを改善しえた下咽頭癌の手術不能頸部リンパ節転移例.耳鼻臨床 103:587-590,2010
6)武内有城:Mohsペーストが出血・浸出液コントロールに有効であった進行癌皮膚浸潤・転移の2例.日臨外会誌 71:1909-1915,2010
7)増田建一・他:頰部扁平上皮癌をMohs chemosurgeryで治療したアルツハイマー型認知症の1症例.日老医誌 47:75-78,2010
8)大井裕子・他:緩和ケア領域におけるMohsペーストの有用性―出血のコントロールの観点から.Palliative Care Research 4:346-350,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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