文献詳細
目でみる耳鼻咽喉科
食道入口部が持続的に開大していた3症例
著者: 槙大輔1 西山耕一郎12 杉本良介1 大田隆之3 戎本浩史1 酒井昭博1 大上研二1 松井和夫3 飯田政弘1
所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター 2西山耳鼻咽喉科医院 3聖隷横浜病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.604 - P.608
文献概要
輪状咽頭筋は食道入口部に存在し,安静時には一定の筋緊張を保つように持続収縮することで食道入口部を閉鎖させているが,嚥下運動時には弛緩して食道入口部を開大させる。輪状咽頭筋が弛緩不全となる病態はよく知られており日常的に経験するが,弛緩したままの状態が観察されることは珍しい。今回われわれは食道入口部が持続的に開大していた3症例を経験した。いずれの症例も胃・食道から咽頭への逆流が強く疑われ,嚥下性肺炎の原因となっていたと考えられる。症例提示に若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
掲載誌情報