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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科84巻9号

2012年08月発行

目でみる耳鼻咽喉科

食道入口部が持続的に開大していた3症例

著者: 槙大輔1 西山耕一郎12 杉本良介1 大田隆之3 戎本浩史1 酒井昭博1 大上研二1 松井和夫3 飯田政弘1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター 2西山耳鼻咽喉科医院 3聖隷横浜病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.604 - P.608

文献概要

Ⅰ.はじめに

 輪状咽頭筋は食道入口部に存在し,安静時には一定の筋緊張を保つように持続収縮することで食道入口部を閉鎖させているが,嚥下運動時には弛緩して食道入口部を開大させる。輪状咽頭筋が弛緩不全となる病態はよく知られており日常的に経験するが,弛緩したままの状態が観察されることは珍しい。今回われわれは食道入口部が持続的に開大していた3症例を経験した。いずれの症例も胃・食道から咽頭への逆流が強く疑われ,嚥下性肺炎の原因となっていたと考えられる。症例提示に若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)梅崎俊郎:嚥下のメカニズム.よくわかる嚥下障害,藤島一郎編.永井書店,大阪,2001,pp1-15
2)吉田哲二:正常嚥下に関する筋電図的ならびにX線的研究.耳鼻25:824-872,1979
3)Fukushima S, et al:Role of the Pharyngeal Branch of the Vagus Nerve in Laryngeal Elevation and UES Pressure During Swallowing in Rabbits. Dysphagia 18:58-63, 2003
4)藤島一郎:Wallenberg症候群における食塊の輪状咽頭部優位通過側.神経内科52:309-315,2000
5)大熊るり・他:カテーテル電極を用いた輪状咽頭筋の経粘膜的筋電図検査.リハ医学36:410-414,1999
6)花山耕三:筋強直性ジストロフィー患者の嚥下障害.神経内科60:350-354,2004
7)和田勇治・他:筋強直性ジストロフィー患者さんの嚥下障害の対応策.難病と在宅ケア14:47-50,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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