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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻1号

2013年01月発行

特集 花粉症の治療―新たな展開

食事療法・民間療法

著者: 蒲池桂子1

所属機関: 1女子栄養大学栄養クリニック

ページ範囲:P.42 - P.48

文献概要

POINT

●花粉症の患者は国民の20%に及ぶとされており,また,このうち成人アレルギー性鼻炎患者の代替医療受療率は19%,漢方薬(医師の処方によらない),乳酸菌食品,プロポリスが上位を占めており年齢があがるにつれて受療率が上昇している。

●機能性食品としての食事療法では,プロバイオティクス,スギ花粉舌下免疫療法とスギ花粉抗原を含むワクチンとしての米の開発などが研究されている。

●治験で指摘される高いプラセボ効果の背景には,生活日誌の記入などによる規則正しい生活,生活の見直しが花粉症症状を抑える免疫系の強化に関連している可能性がある。

●免疫力強化のための食事療法としては,睡眠不足とストレスの解消,摂取栄養素の見直し,暴飲暴食の管理,腸内環境に着目した食事を重視する。

●民間療法との対峙について:長く庶民の間で伝承されてきた民間療法も多く,その中から学ぶことは多い。伝承されてきた民間療法の研究はさらに続けられることが重要と思われる。

参考文献

1)岡本美孝・他:代替医療の実態と有効性の科学的評価.厚生労働科学研究費補助金(免疫アレルギー等予防・治験研究事業)総括研究報告書平成22年度:厚生労働省HP,2011
strain KW3110 on Japanese cedar pollinosis. Allergy Asthma Proc 30:397-405, 2009
L-55含有ヨーグルト飲用のスギ花粉症に対する臨床効果の検討.アレルギー61:628-641,2012
BB536株含有ヨーグルトによるスギ花粉症改善効果.機能食品と薬理栄養3:79-84,2008
5)加藤昭夫:スギ花粉症の根本的治療を可能にする腸管免疫寛容システムを活用した免疫寛容剤の開発.アレルギーの臨床31:62-69,2011
6)高岩文雄:アレルギーワクチン米によるスギ花粉の緩和戦略.免疫学入門,上野川修一・他(編).建帛社,東京,2012,pp121-143
7)Lange T, et al:Effects of sleep and circadian rhythm on the human immune system. Ann N Y Acad Sci 1193:48-59, 2010
8)Stanhope KL:Role of fructose-containing sugars in the epidemics of obesity and metabolic syndrome. Annu Rev 63:329-343, 2012
9)庄野 聡:高脂肪食あるいは高コレステロール食摂取による生体免疫反応の変化.臨床免疫・アレルギー科56:571-583,2011
10)マクドナルドホームページhttp://www.mcdonalds.co.jp
11)大森一慧:体の自然治癒力をひきだす食事と手当.サンマーク出版,東京,2008,p193
12)東城百合子:自然療法.あなたと健康社,東京,2010,pp364-365

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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