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特集 帰してはいけない耳鼻咽喉科外来患者
咽頭痛―急性喉頭蓋炎,扁桃周囲膿瘍
著者: 原浩貴1 山下裕司1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野
ページ範囲:P.856 - P.862
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●咽頭痛はありふれた症状の1つであるが,上気道炎症の重要な症状であることを忘れない。
●上気道感染症は,重篤化した場合に気道狭窄をきたし呼吸困難や窒息を引き起こす可能性がある。
●咽頭痛がある場合,咽頭のみでなく喉頭の所見を確認することが必須である。
●重症化を防ぐためには初診医の適切な診断,治療が必要である。
●急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍は,病診連携の必要性も高い領域である。上気道感染に伴う気道狭窄すなわち咽頭・喉頭レベルでの狭窄を見逃さず,速やかに入院加療あるいは高次医療機関への搬送を実施することが求められる。
●咽頭痛はありふれた症状の1つであるが,上気道炎症の重要な症状であることを忘れない。
●上気道感染症は,重篤化した場合に気道狭窄をきたし呼吸困難や窒息を引き起こす可能性がある。
●咽頭痛がある場合,咽頭のみでなく喉頭の所見を確認することが必須である。
●重症化を防ぐためには初診医の適切な診断,治療が必要である。
●急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍は,病診連携の必要性も高い領域である。上気道感染に伴う気道狭窄すなわち咽頭・喉頭レベルでの狭窄を見逃さず,速やかに入院加療あるいは高次医療機関への搬送を実施することが求められる。
参考文献
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