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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻11号

2013年10月発行

原著

胸腔鏡下に縦隔ドレナージを行った降下性縦隔膿瘍の2症例

著者: 木村有貴1 中屋宗雄1 伊東明子1 木田渉1 白石藍子1 渕上輝彦1 渡辺健太1 阿部和也2

所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科頭頸部外科 2多摩北部地域医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.907 - P.912

文献概要

はじめに

 咽頭や扁桃の感染,齲歯や歯根膿瘍から副咽頭間隙を経て膿瘍が縦隔に至る降下性縦隔膿瘍は抗菌薬の発達した今日でも死亡率20~40%1,2)ともいわれ,致死的となりうる病態である。従来,全縦隔に膿瘍が進展したものは開胸ドレナージが推奨されてきたが,近年では胸腔鏡下のドレナージを行った報告が増えている。今回われわれも胸腔鏡下のドレナージによって良好な結果を得た2症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)原 祐郁・他:Descending necrotizing mediastinitisの臨床的検討.日呼外会誌22:976-980,2008
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3)野田加奈子・他:深頸部感染症299例の臨床的検討.日耳鼻113:898-906,2010
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12)竹内幸康・他:長期血液透析患者の降下性壊死性縦隔炎に対して胸腔鏡下縦隔ドレナージ術を施行した1例.日呼外会誌21:48-51,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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