文献詳細
特集② 耳鼻咽喉科領域のジェネリック医薬品とサプリメント
文献概要
POINT
●患者はジェネリック医薬品(GE)に対して思い込みや先入観をもっている可能性がある。そのため,医療者はGEについての情報を適切に患者に伝える必要がある。
●医薬品を有効成分と製剤に分けてみるとGEを理解しやすい。GEの有効成分は先発医薬品(先発品)の有効成分と同一の化合物であり薬理作用は同じである。製剤としての先発品との同等性,有効性・安全性は先発品の剤形変更時などと同様に,生物学的同等性試験によって確認されている。
●先発品とGEの工場生産時にかかるコストは,両者の薬価の差ほどあるわけではない。GEは製剤のみを開発することから,開発費と普及にかかるコストが先発品よりも少ない。これがGEの薬価を低く設定できる理由として説明できる。
●病院で先発品からGEに切り替え前後の臨床効果と安全性評価を1,000症例規模で実施した結果,いずれも有意な変化はなかったとの報告がある。また,GEへの懸念や疑問などが指摘された論文などについて公的機関で検討された結果,「今日の治療指針2012」耳鼻咽喉科の項に記載がある医薬品に品質上問題があるGEはみられなかった。
●「今日の治療指針2012」耳鼻咽喉科の項に記載がある医薬品106品目のうち先発品は96品目あり,2013年10月時点でGEに切り替えが可能な先発品は73%(70品目/96品目)と少なくない。
●患者はジェネリック医薬品(GE)に対して思い込みや先入観をもっている可能性がある。そのため,医療者はGEについての情報を適切に患者に伝える必要がある。
●医薬品を有効成分と製剤に分けてみるとGEを理解しやすい。GEの有効成分は先発医薬品(先発品)の有効成分と同一の化合物であり薬理作用は同じである。製剤としての先発品との同等性,有効性・安全性は先発品の剤形変更時などと同様に,生物学的同等性試験によって確認されている。
●先発品とGEの工場生産時にかかるコストは,両者の薬価の差ほどあるわけではない。GEは製剤のみを開発することから,開発費と普及にかかるコストが先発品よりも少ない。これがGEの薬価を低く設定できる理由として説明できる。
●病院で先発品からGEに切り替え前後の臨床効果と安全性評価を1,000症例規模で実施した結果,いずれも有意な変化はなかったとの報告がある。また,GEへの懸念や疑問などが指摘された論文などについて公的機関で検討された結果,「今日の治療指針2012」耳鼻咽喉科の項に記載がある医薬品に品質上問題があるGEはみられなかった。
●「今日の治療指針2012」耳鼻咽喉科の項に記載がある医薬品106品目のうち先発品は96品目あり,2013年10月時点でGEに切り替えが可能な先発品は73%(70品目/96品目)と少なくない。
参考文献
1)Williams GH, et al:Common-sense beliefs about illness a mediating role for the doctor. Lancet 2:1435-1437, 1986
2)折井孝男:転換期を迎えたGEメーカーと上手に付き合う.薬局62:63-66,2011
3)坂口眞弓・他:ジェネリックの更なる使用促進に向けて.第43回日本薬剤師会学術大会講演要旨集,2010
4)Waber RL, et al:Commercial features of placebo and therapeutic efficacy. JAMA 299:1016-1017, 2008
5)ダン・アリエリー:予想通りに不合理行動経済学者が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」.早川書房,東京,pp243-247,2008
6)鈴木正論・他:プラバスタチンNa錠の後発医薬品への切り替えに伴う臨床検査値に基づく臨床効果の評価および安全性評価.医療薬学37:449-455,2011
7)ジェネリック医薬品品質情報検討会議事概要及び会議資料[http://www.info.pmda.go.jp/generic/generic_index.html](accessed 10 July 2008)
8)国立医薬品食品衛生研究所:ジェネリック医薬品品質情報検討会資料[http://www.info.pmda.go.jp/generic/file/20080710_2.pdf](accessed 10 July 2008)
9)ジェネリック医薬品品質情報検討会資料検討会で取り上げた試験製剤一覧[http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged/kentou-list.html](accessed 28 September 2011)
10)診療報酬情報提供サービス:医薬品マスター[http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/downloadMenu/](accessed 1 August 2013)
11)脇本大徳・他:日本の医療用医薬品数と置き換え可能薬の割合.薬理と治療41,2013
12)山崎亮治・他:エッセンシャルドラッグとジェネリックドラッグ 第27回日本臨床薬理学会年会.臨床薬理38(Suppl):S200,2007
13)「ランセット」日本特集号プロジェクト研究チーム(監修:渋谷健治):「ランセット」日本特集号「国民皆保険達成から50年」.公益財団法人日本国際交流センター,東京,2011
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