文献詳細
原著
機能温存が可能であった高位の頸部迷走神経鞘腫症例
著者: 渕上輝彦1 中屋宗雄1 木田渉1 木村有貴1 白石藍子1 伊東明子1 吉原晋太郎1 渡辺健太1
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.1089 - P.1091
文献概要
頸部迷走神経鞘腫は頸部良性腫瘍を代表する疾患の1つであるが,手術的治療では機能温存をめざして被膜下摘出を行うか,迷走神経を切断して全摘出を行うかいまだ議論のあるところである。被膜下摘出を行う場合,頸部迷走神経鞘腫の局在部位が機能温存の成績を左右する一因となり,舌骨レベルや頸動脈分岐部より上に位置する場合は一般的に困難であるとされる1)。今回われわれは頸動脈分岐部より上に存在する頸部迷走神経鞘腫に対し被膜下摘出を行い機能温存が可能であったので,若干の考察を加えて報告する。
参考文献
掲載誌情報