耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻4号

2013年04月発行

原著

直達鏡下に摘出しえた下咽頭血管腫の1例

著者： 岡本康太郎¹ 上田大² 和多田美奈子³ 信原健二⁴

所属機関： ¹地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院　耳鼻咽喉科 ²社会保険京都病院耳鼻咽喉科 ³済生会京都府病院耳鼻咽喉科 ⁴京都府立与謝の海病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.343 - P.347

文献概要

はじめに

　血管腫は，組織学的に腫瘍を構成する血管成分により毛細血管性，海綿状，静脈性，動脈性に分類され，胎生期の発育障害に基づく組織奇形あるいは過誤腫であるとも考えられている^1）。血管腫のうち，65％が頭頸部に発生する^2）。頭頸部では血管腫は口腔，口唇に多く発生し^3），下咽頭に発生することは比較的稀である^4）。今回，われわれは下咽頭に発生した血管腫の1例を経験したので文献的考察を含めて報告する。

参考文献

1）沼田　勉・他：頭頸部領域の血管腫．JOHNS 26：496-497，2010

2）Shpitzer T, et al：Noncutaneous cavernous hemangiomas of the head and neck. Am J Otolaryngol 18：367-374, 1997

3）永野広海・他：下咽頭血管腫の2例．耳鼻臨床104：353-357，2011

4）Discolo CM, et al：Postcricoid hemangioma presenting as dyspnea：a report of 4 cases. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 130：1420-1422, 2004

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6）竹村栄毅・他：咽頭側切開で摘出した喉頭血管腫の2症例．耳鼻臨床（補）109：86-90，2002

7）平海晴一・他：嚥下障害をきたした深在性下咽頭血管腫例．耳鼻臨床93：49-52，2000

8）稲川正一・他：血管腫・血管奇形の治療は？―血管内治療の立場から．JOHNS 27：1631-1634，2011

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12）茂木立　学・他：ホルミウムヤグレーザーを用いた下咽頭血管腫の1症例．頭頸部外科9：149-152，1999