耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻4号

2013年04月発行

原著

耳後部hinge flapを用いて再建した耳介癌の1例

著者： 森照茂¹ 星川広史¹ 武田純治² 福村崇¹ 森望¹

所属機関： ¹香川大学医学部耳鼻咽喉科学講座 ²坂出市立病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.349 - P.352

文献概要

はじめに

　耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域における悪性腫瘍で聴器癌は1％弱と^1,2），比較的珍しいとされている。聴器癌は通常，耳介癌，外耳道癌，中耳癌に分類されるが，その発生頻度についてLewis^3）は自験例の150例を検討し，それぞれ60％，28％，12％であったと報告している。腫瘍を発見しやすい耳介癌の予後は比較的良好であると考えられている^1～3）。今回われわれは耳介癌を1例経験したので若干の文献的考察を交えて報告する。

参考文献

1）川名正博・他：耳介の腫瘍―耳介悪性腫瘍．JOHNS 17：228-232，2001

2）石丸　正：耳介基底細胞癌の1例．耳喉頭頸77：49-52，2005

3）Lewis JS：Cancer of the ear. Laryngoscope 70：551-579, 1960

：Otolaryngology Vol. 5, ed by English GM. 1998 revised version, Chapter 7：1-21, 1996

5）中島　格：局所免疫と増殖動態から見た喉頭がんの治療．久留米大学医学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座，久留米，2008，pp103-130

6）小川晴生・他：根治的切除および再建を行った耳介後面有棘細胞癌の1症例．Skin Cancer 23：384-389，2008