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特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方 Ⅲ 夜間・救急外来での疾患鑑別法
咽頭痛
著者: 梅野博仁1
所属機関: 1久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
ページ範囲:P.112 - P.115
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◆咽頭痛を訴える疾患で,発熱の有無は疾患の鑑別に有用である。発熱がある疾患の多くは感染症であり,発熱がない疾患の多くは感染症ではないか,感染症であっても感染のごく初期か軽度の感染と考えてよい。
◆咽頭の視診所見で疾患のおおよその鑑別が可能である。咽頭粘膜・口蓋扁桃の所見は発赤・腫脹・膿栓付着,小水疱・アフタ形成,偽膜形成,びらん・潰瘍・腫瘍形成,異物の存在,所見に乏しい,に分類すると疾患の鑑別が行いやすい1)。
◆主訴が咽頭痛であっても喉頭所見を見落としてはならない。急性喉頭蓋炎の主訴で最も多いのは咽頭痛である2)。
◆緊急処置が必要な疾患の多くは扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽頭異物である。扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍では切開排膿術が,急性喉頭蓋炎による呼吸困難では気道確保が,咽頭異物では異物摘出術が緊急処置として必要となる。
◆咽頭痛を訴える疾患で,発熱の有無は疾患の鑑別に有用である。発熱がある疾患の多くは感染症であり,発熱がない疾患の多くは感染症ではないか,感染症であっても感染のごく初期か軽度の感染と考えてよい。
◆咽頭の視診所見で疾患のおおよその鑑別が可能である。咽頭粘膜・口蓋扁桃の所見は発赤・腫脹・膿栓付着,小水疱・アフタ形成,偽膜形成,びらん・潰瘍・腫瘍形成,異物の存在,所見に乏しい,に分類すると疾患の鑑別が行いやすい1)。
◆主訴が咽頭痛であっても喉頭所見を見落としてはならない。急性喉頭蓋炎の主訴で最も多いのは咽頭痛である2)。
◆緊急処置が必要な疾患の多くは扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽頭異物である。扁桃周囲膿瘍および咽後膿瘍では切開排膿術が,急性喉頭蓋炎による呼吸困難では気道確保が,咽頭異物では異物摘出術が緊急処置として必要となる。
参考文献
1)板東伸幸・他:咽頭痛.JOHNS 17:189-195,2002
2)末吉慎太郎・他:当科における急性喉頭蓋炎73例の臨床的検討.喉頭22:119-123,2010
3)梅野博仁・他:成人の急性喉頭蓋炎.MB ENT 40:8-12,2004
4)大石延正:咽頭痛.救急医学36:293-295,2012
5)松本宗一・他:入院加療を行った急性喉頭蓋炎122例.耳鼻臨床102:857-864,2009
6)菊池正弘・他:急性喉頭蓋炎の病期分類.MB ENT 40:20-24,2004
7)丘村 煕:咽頭異物・喉頭異物.JOHNS 7:1292-1296,1991
8)石井玄吾・他:椎前筋膜内に埋没した魚骨異物例.耳鼻臨床96:616-618,2003
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