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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻5号

2013年04月発行

文献概要

特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方 Ⅳ 疾患ごとの救急処置法・処方 ■外傷

眼窩吹き抜け骨折

著者: 吉村剛1 春名眞一2

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科 2獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲:P.138 - P.142

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Point

◆眼球に鈍的な外傷が加わることで,眼窩内圧が上昇し眼窩壁骨折を引き起こし,その部位から内側壁型,下壁型,混合型に分けられる。

◆症状は眼瞼腫脹,眼球運動障害,複視,眼痛などがある。

◆BOFを疑う場合は,早期にCTを施行して骨折部位,程度を確認し,眼科へ依頼して眼球運動の検査を行う。

◆開放型骨折では経過観察できる場合が多いが,閉塞型骨折では,筋組織の壊死が進行しないよう緊急手術が必要である。

◆手術のアプローチは,経鼻法,経上顎洞法(歯齦部切開),経眼窩縁法があり,術者の慣れと骨折部位により整復しやすい方法を選択する。

参考文献

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3)春名眞一:眼窩吹き抜け骨折.耳喉頭頸84:175-178,2012
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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