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特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方 Ⅴ 処置中・処置後の急変への対応法
耳管通気
著者: 大島猛史1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
ページ範囲:P.254 - P.257
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◆急激に高圧で多量の送気をすることは厳禁。滲出性中耳炎のなかにも「耳管閉鎖不全」は珍しくなく,図らずも過大な通気となることがある。
◆カテーテル法だけでなく,逆通気法でも事故の報告が多く注意が必要。ポリッツェルゴム球を使った逆通気は圧の調節がしにくく,多量の送気となりやすい。ブリューニングス拡大耳鏡などを使用したほうがよい。
◆急変時は瞬時に重症度を推定し,迅速に対応しなければならない。
◆不可抗力による事故もあるが,多くは慎重な操作で防げる。
◆急激に高圧で多量の送気をすることは厳禁。滲出性中耳炎のなかにも「耳管閉鎖不全」は珍しくなく,図らずも過大な通気となることがある。
◆カテーテル法だけでなく,逆通気法でも事故の報告が多く注意が必要。ポリッツェルゴム球を使った逆通気は圧の調節がしにくく,多量の送気となりやすい。ブリューニングス拡大耳鏡などを使用したほうがよい。
◆急変時は瞬時に重症度を推定し,迅速に対応しなければならない。
◆不可抗力による事故もあるが,多くは慎重な操作で防げる。
参考文献
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