文献詳細
文献概要
特集 急患・急変対応マニュアル―そのとき必要な処置と処方 Ⅵ 術中・術後の急変への対応法 ■術中編
内視鏡下副鼻腔手術時の視神経管損傷
著者: 御厨剛史1 山下裕司1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野
ページ範囲:P.304 - P.308
文献購入ページに移動Point
◆術中視神経管損傷はいったん生じると完全回復困難な重篤な合併症を起こしうる。
◆視神経管を損傷しやすい条件として,管の隆起と骨壁の菲薄化をきたしやすいonodi cellや副鼻腔の含気化良好な例が挙げられる。
◆術前のCT読影や術中ナビゲーションの使用によりリスクは回避しうる。
◆損傷時の適切な対応には,迅速な眼科的評価とステロイド治療開始,視神経管開放術の適応判断にいたる流れの知識と準備が必要である。
◆術中視神経管損傷はいったん生じると完全回復困難な重篤な合併症を起こしうる。
◆視神経管を損傷しやすい条件として,管の隆起と骨壁の菲薄化をきたしやすいonodi cellや副鼻腔の含気化良好な例が挙げられる。
◆術前のCT読影や術中ナビゲーションの使用によりリスクは回避しうる。
◆損傷時の適切な対応には,迅速な眼科的評価とステロイド治療開始,視神経管開放術の適応判断にいたる流れの知識と準備が必要である。
参考文献
1)柳 清:視神経管開放術.耳展53:160-165,2010
2)Tomovic S, et al:High-resolution computed tomography analysis of the prevalence of onodi cells. Laryngoscope 122:1470-1473, 2012
3)足川力雄:内観鏡下鼻内手術―臨床解剖と手技.医学書院,東京,1995,pp1-193
4)足川力雄・他:副鼻腔炎手術時の視器損傷とその転帰.耳展14:651-659,1971
5)中川隆之:鼻副鼻腔疾患に対する新たな治療戦略3D-CTを活用した内視鏡下鼻内手術の解剖実習.JOHNS 27:937-942,2011
6)Wormald PJ:Endoscopic Sinus Surgery 3rd edition. Thieme, New York, 2012, pp192-199
7)Bhatti MT, et al:Ophthalmic complications of endoscopic sinus surgery. Surv Ophthalmol 48:389-402, 2003
8)Shigemori M, et al:Guidelines for the Management of Severe Head Injury, 2nd Edition Guidelines from the Guidelines Committee on the Management of Severe Head Injury, the Japan Society of Neurotraumatology. Neurologia Medico-Chirurgica 52:1-30, 2012
9)森山 寛:視神経管開放術.頭頸部外科4:55-60,2010
10)中川隆之:前篩骨動脈か,出血が止まらない.耳喉頭頸83:823-828,2011
11)Horiguchi K, et al:Endoscopic endonasal trans-sphenoidal optic nerve decompression for traumatic optic neuropathy-technical vote. Neurol Med Chir(Tokyo)50:518-522, 2010
掲載誌情報