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目でみる耳鼻咽喉科
非反回下喉頭神経症例の三次元CT頸部血管造影像
著者: 岸根有美1 竹田貴策1 鎌田知子1 川島慶之1
所属機関: 1土浦協同病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.378 - P.380
文献購入ページに移動非反回下喉頭神経(nonrecurrent inferior laryngeal nerve:NRILN)とは,下喉頭神経が鎖骨下動脈を反回せず迷走神経から直接喉頭に進入する走行異常でStedman1)により初めて報告された。原則的に右側のみに発生し右鎖骨下動脈の起始異常を伴い,頻度は0.5~0.8%2~4)と報告されている。甲状腺手術の合併症としての反回神経麻痺の発生率は1.8%だが,NRILN症例では12.9%と高くなることが報告されている2)。このため術前に右腕頭動脈と右鎖骨下動脈の走行を確認し,NRILNを予測することが反回神経麻痺の予防に重要である。今回われわれは副甲状腺手術の術中にNRILNを認め,術後に三次元CT血管造影にて右鎖骨下動脈の起始異常を確認した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
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