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特集① 耳管機能障害Update
耳管機能障害の診断
著者: 小林俊光12
所属機関: 1仙塩利府病院耳鼻咽喉科・耳科手術センター 2東北大学
ページ範囲:P.382 - P.387
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●耳管機能は鼓膜所見,ティンパノグラム,耳管通気法による評価が基本。耳管機能検査装置は補助診断。
●鼓膜形成術の適応判定には,受動的開大があることが必須。隠蔽性耳管開放症にも注意する。
●真珠腫,鼓膜癒着などでは,耳管機能の評価に鼓膜切開を要することがある。
●TTAG法で開放耳管の検出ができる。問診も重要である。
●音響法で耳管開大がないことを根拠に耳管狭窄症と診断するのは誤りである。
●耳管機能は鼓膜所見,ティンパノグラム,耳管通気法による評価が基本。耳管機能検査装置は補助診断。
●鼓膜形成術の適応判定には,受動的開大があることが必須。隠蔽性耳管開放症にも注意する。
●真珠腫,鼓膜癒着などでは,耳管機能の評価に鼓膜切開を要することがある。
●TTAG法で開放耳管の検出ができる。問診も重要である。
●音響法で耳管開大がないことを根拠に耳管狭窄症と診断するのは誤りである。
参考文献
1)小林俊光:耳管開放症の多彩な症状と難治例に対する耳管ピン挿入術.医学のあゆみ224:957-958,2008
2)小林俊光:耳管開放症の新しい考え方.日耳鼻113:706-709,2010
3)小林俊光・他:耳管開放症と鑑別すべき疾患―耳管開放症は耳管狭窄症とどう違うのか?.ENTONI 145:21-27,2012
4)小林俊光:実戦的耳管機能検査法―鼓膜形成術前の耳管機能評価.ENT臨床フロンティア.1.実戦的耳鼻咽喉科検査法,小林俊光編.中山書店,東京,2012.pp54-59
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7)Ikeda R, Kobayashi T, et al:Management of patulous eustachian tube with habitual sniffing. Otol Neurotol 32:790-793, 2011
8)原 陽介・小林俊光・他:いわゆる軟素材再建法後に再発した真珠腫症例.再形成機序とその対策についての考察.JOHNS 27:1098-110,2011
9)Kawase T, Kobayashi T, et al:Habitual sniffing and postoperative configuration of the posterior meatal wall reconstructed with soft tissue. Acta Otolaryngol 127:1132-1135, 2007
10)高橋晴雄:加圧減圧法.機能検査,CLIENT 21 2,野村恭也・他編.中山書店,東京,2000,pp232-236
11)小林俊光・他:耳管機能検査.Audiology Japan 50:233-238,2007
12)小林俊光:耳管開放症・閉鎖不全の検査.機能検査.CLIENT 21 2,野村恭也・他編.中山書店,東京,2000,pp252-257
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