耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻7号

2013年06月発行

原著

長さ1mの食道異物症例

著者： 木村寛¹ 安藤孝将² 菓子井良郎³

所属機関： ¹済生会富山病院耳鼻咽喉科 ²富山大学第3内科 ³済生会富山病院内科

ページ範囲：P.517 - P.519

文献概要

はじめに

　約25cmの食道^1）に約1mの長さの異物が長期間，食道に停留しているとは一般には考え難い。しかし，今回，われわれは，約1mの電気コードが長期間，食道に停留していた認知症をもつ稀な食道異物症例を経験したので報告する。

参考文献

：Otorhinolaryngology：Head and Neck Surgery, eds by Ballenger JJ, Snow Jr JB, Williams & Wilkins, Baltimore, 1996, pp1221-1235

2）市村恵一：鼻閉．鼻の病気―実りある治療を行うために，金原出版，東京，1994，pp64-99

3）佐藤敏彦・他：当教室における過去20年間の異物症の統計的観察．耳展（補）1：89-97，1974

4）西浦勇夫・他：開業11年間異物症例の統計．耳喉54：471-477，1982

5）菊池一也・他：食道および気管支異物症例の統計的観察．耳鼻臨床91：1271-1275，1998

6）鳥山寧二・他：武蔵野赤十字病院耳鼻咽喉科における10カ年の異物の統計的観察．日耳鼻64：1408-1421，1961

7）森川美子・他：当教室における異物症例の検討．耳喉53：1099-1105，1981

8）山口　威・他：長期間停留した下咽頭・食道異物の2症例．耳喉頭頸70：847-850，1998

9）佐藤公則：食道異物・咽頭食道異物．MB ENT 44：61-66，2004