耳鼻咽喉科・頭頸部外科85巻7号

2013年06月発行

原著

耳下腺静脈奇形の1例

著者： 渡邊毅¹ 田中藤信² 奥竜太² 宗謙次² 髙橋晴雄¹

所属機関： ¹長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 ²独立行政法人国立病院機構長崎医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.531 - P.535

文献概要

はじめに

　頭頸部領域に発生する血管腫・血管奇形は，しばしば「血管腫」と総称され数多く報告されているが，血管腫と血管奇形を明確に分類して報告したものは少ない。国際血管腫・血管奇形学会（International Society for the Study of Vascular Anomaly：ISSVA）による分類（以下，ISSVA分類と略す）では両者は明確に区別されており，おのおの治療方針も異なる。

　今回われわれは耳下腺内に発生したISSVA分類での静脈奇形症例を経験したので，血管腫と血管奇形の分類・治療法を中心に若干の文献的考察を加え報告する。

参考文献

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3）橋本和也・他：耳下腺海綿状血管腫の1症例．耳喉頭頸71：377-381，1999

4）西蔦大宣・他：耳下腺から副咽頭間隙にかけて発生し顔面神経麻痺をきたした海綿状血管腫の1例．耳喉頭頸81：859-863，2009

5）石口恒男・他：臨床分類．血管腫・血管奇形の診断と治療のストラテジー．梶原康正（編），先端医学社，東京，2004，pp20-29

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7）小宮山雅樹：顔面血管腫の塞栓術．脳神経外科領域における血管内手術法．菊池晴彦（編），へるす出版，東京，1991，157-161

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12）渡邊彰二：血管腫に対する形成外科的治療．JOHNS 22：1579-1584，2006

13）小宮山雅樹：頭頸部の血管奇形および血管腫に対する塞栓術，脳神経外科Advanced Prectice 2．脳神経血管内治療，斉藤　勇（編），メジカルビュー，東京，2001，pp162-165

14）渡邊彰二・他：新しい手術法の四肢への応用　四肢のvascular malformationの治療法．形成外科ADVANCEシリーズⅠ-2四肢の形成外科―最近の進歩　第2版，波利井清紀（監），児島忠雄（編）．克誠堂書店，東京，2005，pp44-52

15）小宮山雅樹：頭頸部血管病変（血管奇形，血管腫，鼻出血）の血管内治療，脳神経外科医のための血管内治療―その実際と今後の展望，菊池晴彦（編）．先端医療技術研究所，東京，2001，pp261-266

16）野村　正・他：血管奇形の治療戦略　効果両方の手技―合併症の予防．形成外科52：1173-1182，2009