耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻1号

2014年01月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の最新トピックス

≪口腔咽頭領域≫

扁桃摘出手術

著者： 守本倫子¹

所属機関： ¹国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.54 - P.58

文献概要

POINT

●IgA腎症やPFAPA症候群では，扁桃摘出術が効果があることもある。

●扁桃摘出術では従来法に加え，ラジオ波装置（コブレーション），超音波凝固装置（ハーモニックスカルぺル，ソノサージ）などが使用されるようになってきた。

●これらの機器は組織への熱侵襲を少なくすることで，術後疼痛を軽減させ，出血には差がない。

●癒着扁桃にも容易に使用できるが，扁桃被膜を見失うこともある。

●全身状態も含め，個々の症例ごと，術者ごとにどの機器を使用して手術を行うか検討することは大切である。

参考文献

1）坪井伸夫・他：口腔・咽頭科診療における論点　IgA腎症における扁桃摘出術の適応をどう考えるか？―腎臓内科の立場から．JOHNS 24：1551-1555，2008

2）Thomas KT, et al：Periodic fever syndrome in children. J Pediatr 135：15-21, 1999

3）林達哉：PFAPA（Periodic fever, aphthous stomatitis, pharingitis, and adenitis）症候群の診断と治療．日耳鼻115：1052-1053，2012

4）宮前多佳子：口腔・咽頭科診療における論点．反復性扁桃炎における扁桃摘出術の適応をどう考えるか？　小児科医の立場から．JOHNS 24：1543-1545，2008

5）西村俊郎：扁桃摘出後ののどの痛み．JOHNS 16：870-873，2000

6）守本倫子・他：ビデオ研修セミナーHow I do it．従来法と超音波，ラジオ波を使用した方法の比較，アデノイド切除術．小児耳29：186-191，2008

7）竹内　啓：コブレーター扁桃摘出術の基本的手技と有用性．口咽科26：53-57，2013

8）Amir I, et al：Return to theatre in secondary post-tonsillectomy haemorrhage-a comparison of coblation and dissection techniques. Eur Arch Otorhinolaryngol 269：667-671, 2012

9）菊池　恒・他：コブレーションシステムを用いた口蓋扁桃摘出術における術後出血例の検討．口腔・咽頭科25：85-89，2012

10）岸本　曜・他：ハーモニックスカルペルを用いた口蓋扁桃摘出術．天理医学紀要6：35-42，2003

11）東　貴弘・他：4種類の機器による扁摘の比較検討．耳鼻臨床100：743-746，2007

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