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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻12号

2014年11月発行

文献概要

特集② 創管理の最前線—知っておきたい形成外科の知識

局所潰瘍治療薬の使用法と留意点

著者: 堀圭二朗1 櫻井裕之1

所属機関: 1東京女子医科大学形成外科

ページ範囲:P.1016 - P.1021

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POINT

●皮膚潰瘍の局所治療を行う前に,創治癒を遷延させるような全身状態を改善したうえで,創部をよく観察しwound bed preparationを行うことが重要である。

●創部の状態を観察するポイントは炎症,壊死組織,肉芽形成,上皮形成であり,それぞれの状態において感染の有無と滲出液の量を確認することが重要である。

●局所外用剤は有効成分(active ingredient)と基剤(base)を混合したものであり,それぞれについての分類をもとに適切な治療薬を選択する。

●局所外用剤の有効成分は抗炎症作用,抗菌作用,壊死組織除去作用,肉芽形成促進作用,上皮化促進作用に分類される。

●局所外用剤の基剤は大きく分けて疎水性基剤と親水性基剤に分類される。

●局所潰瘍治療薬の選択は,創部の状態によって適切な有効成分と基材の組み合わせで決定することができる。

参考文献

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3)Lopez-Garcia J, et al:HaCaT keratinocytes response on antimicrobial atelocollagen substrates:extent of cytotoxicity, cell viability and proliferation. J Funct Biomater 5:43-57, 2014
4)Kaufman KL, et al:Evaluation of the effects of topical zinc gluconate in wound healing. Vet Surg:Epub ahead of print, 2014
5)大浦武彦・他:生理食塩洗浄が褥瘡創面細菌数に及ぼす影響.褥瘡会誌9:183-191,2007
6)Fernandez R, et al:Water for wound cleansing. Cochrane Database Syst Rev 2, 2012
7)永井弥生:ヨウ素製剤をいかに使い分けるか.難病と在宅ケア17:37-40,2012
8)堀圭二朗・他:褥瘡の保存的治療:軟膏の選択と使用法.PEPARS 79:31-37,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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