文献詳細
原著
耳鳴に対するエスシタロプラムの有効性
著者: 桝谷将偉1 中丸裕爾1 森田真也1 福田諭1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.1047 - P.1050
文献概要
耳鳴の薬物治療として,脳循環改善薬,ビタミン剤,抗不安薬などが用いられている。しかし耳鳴の原因が不明なため標準治療が確定していないのが現状である。
2004年にFolmerら1)が耳鳴を訴えるうつ病患者に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を投与し,耳鳴の改善を認めたと報告して以来,耳鳴に対する治療薬として同薬剤が注目されるようになった。
これまでのSSRIは休薬時に漸減する必要があり,管理が煩雑であるという難点があった。近年,わが国で承認を受けたSSRIのエスシタロプラムは,半減期が長いため退薬時に漸減する必要がないため,管理が容易という特徴がある。
今回,われわれは同薬剤を耳鳴患者に使用し,その有効性・安全性に関して検討したので報告する。
参考文献
掲載誌情報