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特集 口腔粘膜の難治疾患への対応法
口腔・咽頭アレルギー
著者: 原田保1
所属機関: 1川崎医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1072 - P.1077
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●特定花粉症患者で花粉と相同性のある食物を摂取すると,口腔・咽頭にアレルギー反応を惹起することがある。この疾患概念を口腔アレルギー症候群(OAS)という。
●近年花粉症は増加している。OASからアナフィラキシー反応を起こすことがあり,救命そのほかの目的でこの疾患を熟知しなければならない。
●OASはクラス2食物アレルギーと考えられ,特定花粉とクラス2食物のリンゴ,メロン,キウイなどが反応し,症状が発現する。花粉症と関係する食物を記載し,発症機序などを説明した。
●OSAの診断に問診が最も重要である。抗原の検索にはRAST検査,皮膚プリックテスト,プリック・プリックテスト(PPT)があるが,PPTが最も有用である。
●OASの根治的な治療法はなく,抗原食品の回避が重要である。将来有望な治療は免疫療法であるが,現在有効性は確立されてない。
●稀であるがアナフィラキシー反応が起こり,死亡することもある。副腎皮質ホルモン薬やエピネフリンなどを使用し,救命しなければならない。
●特定花粉症患者で花粉と相同性のある食物を摂取すると,口腔・咽頭にアレルギー反応を惹起することがある。この疾患概念を口腔アレルギー症候群(OAS)という。
●近年花粉症は増加している。OASからアナフィラキシー反応を起こすことがあり,救命そのほかの目的でこの疾患を熟知しなければならない。
●OASはクラス2食物アレルギーと考えられ,特定花粉とクラス2食物のリンゴ,メロン,キウイなどが反応し,症状が発現する。花粉症と関係する食物を記載し,発症機序などを説明した。
●OSAの診断に問診が最も重要である。抗原の検索にはRAST検査,皮膚プリックテスト,プリック・プリックテスト(PPT)があるが,PPTが最も有用である。
●OASの根治的な治療法はなく,抗原食品の回避が重要である。将来有望な治療は免疫療法であるが,現在有効性は確立されてない。
●稀であるがアナフィラキシー反応が起こり,死亡することもある。副腎皮質ホルモン薬やエピネフリンなどを使用し,救命しなければならない。
参考文献
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