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特集 口腔粘膜の難治疾患への対応法
口腔・咽頭難治性潰瘍
著者: 八木正夫1 阪上智史2 友田幸一1
所属機関: 1関西医科大学附属枚方病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2医仁会武田総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1084 - P.1091
文献購入ページに移動●口腔・咽頭の潰瘍を生じる疾患は多岐にわたるが,診断および治療に難渋することがある。
●難治性口腔咽頭潰瘍は,長期にわたり口腔・咽頭に限局し,非特異的な潰瘍性病変を呈する再発傾向の強い疾病である。
●その潰瘍は,大きさ,形状,深さなどさまざまで,単発あるいは複数の場合がある。
●難治性口腔咽頭潰瘍は,原因不明で,単一疾患であるかどうかにも疑問があり,経過中にベーチェット病を含め他疾患に移行する例も少なくない。
●そのため除外診断が診断上重要であり,悪性病変や皮膚科疾患との鑑別点などから病理学的検査はほぼ必須であり,場合により繰り返し行う必要がある。
●治療法は経口ステロイドが主体となることがほとんどであるが,再発を繰り返すことが多く長期に治療が必要になることから,コルヒチンや漢方薬などさまざまな薬剤を試みることが多い。
●診断の難しさから検査所見や治療法などは患者にとって理解しにくい部分があり,かつ予後予測が困難であることから,ていねいな説明が必要である。
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