文献詳細
原著
悪性外耳道炎5症例の検討
著者: 髙橋里沙1 喜瀬祥啓1 今里圭1 山浦明日香1 橋田光一1 小泉弘樹1 鈴木秀明1
所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.1103 - P.1107
文献概要
悪性外耳道炎(malignant external otitis)は耳漏・耳痛,外耳道肉芽,耳漏からの緑膿菌の検出,糖尿病の合併を特徴とする難治性の外耳道炎である1)。下位脳神経麻痺,頭蓋底骨髄炎,さらには頭蓋内合併症をきたすこともあり,時に致死的となりうる疾患である2)。しかし近年,緑膿菌に有効な抗菌薬の発達により緑膿菌による典型例は減少し,緑膿菌以外の菌による発症例や,AIDS患者や白血病患者に発症する例など,非典型的な症例も報告されている3)。今回,われわれは当科にて入院し,加療を行った悪性外耳道炎の5例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する。
参考文献
掲載誌情報