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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻13号

2014年12月発行

鏡下囁語

声の大きい人に悪人はいない,か?

著者: 廣瀬肇1

所属機関: 1東京大学

ページ範囲:P.1128 - P.1130

文献概要

 声の大きい人に悪人はいないという諺があるという。本当に,そういう諺があるのだろうか,気になっていた。というのも,私自身かなり声が大きいほうだと思っているからである。

 いろいろ調べてみたが,どうも伝聞ばかりで,はっきりしない。わずかに,明治43(1910)年に,藤井乙男という人が編集,刊行した諺語大辞典1)に,それらしい記載があることがわかった(図1)。それは“馬方船頭遠方の人,まぁ大きな声するやつに悪いやつはいない(うまかたせんどうをちのひと,まぁおおきなこえするやつにわるいやつはいない)”というものである。つまり馬方や船頭,遠くにいる人など,ともかく地声の大きな人(がさつで下品な人)に悪人はいない,というのも,悪人は,たいてい小声で悪事をささやくものだからだ,という解説になっている。

参考文献

1)藤井乙男編:諺語大辞典.有朋堂,東京,1910
2)Isshiki N:Regulatory mechanism of voice intensity variation. J Speech Hear Res 7:17-29, 1964
3)Sundberg J:Articulatory interpretation of the‘singing formant’. Jour Acoust Soc Am 55:838-844, 1974
4)中島健二・他:「パーキンソン病の疫学」,「脳の科学」編集委員会編.パーキンソン病のすべて.星和書店,脳の科学,26(増刊):27-31,2004
5)Ramig LO, et al:Voice treatment for patients with Parkinson disease:development of an approach and preliminary efficacy data. J Med Speech-Lang Path 2:191-209, 1994
6)Ramig LO, et al:Intensive voice treatment(LSVT)for patients with Parkinson's disease:a 2 year follow up. J Neurol Neurosurg Psychiat 71:493-498, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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