文献詳細
特集 小児難聴Update
文献概要
POINT
●小児心因性難聴の典型例は両側性感音難聴で,7歳から10歳の女児に多いとされてきた。
●社会環境の変化に伴い,一側性感音難聴の症例,男児の症例の割合が増加している。
●発症には,患児を取り巻く環境にある問題が心因となることが多いが,その内容は時代とともに家庭における問題から学校における問題へと変化してきている。
●患児自身のもつ問題,すなわち内因子の1つとして,注意欠陥・多動性障害(ADHD)が注目されている。
●心因性難聴に対する心理治療は,速やかな回復を示す症例を増やし,聴力が変動する症例を減少させる効果がある。
●小児心因性難聴の典型例は両側性感音難聴で,7歳から10歳の女児に多いとされてきた。
●社会環境の変化に伴い,一側性感音難聴の症例,男児の症例の割合が増加している。
●発症には,患児を取り巻く環境にある問題が心因となることが多いが,その内容は時代とともに家庭における問題から学校における問題へと変化してきている。
●患児自身のもつ問題,すなわち内因子の1つとして,注意欠陥・多動性障害(ADHD)が注目されている。
●心因性難聴に対する心理治療は,速やかな回復を示す症例を増やし,聴力が変動する症例を減少させる効果がある。
参考文献
1)日本耳鼻咽喉科学会社会医療部日本学校保健委員会:耳鼻咽喉科学校医のための小児心因性難聴への対応指針.日耳鼻103:588-598,2000
2)高橋 薫・他:児童難聴の推移―仙台市における11年間の聴力検診の結果.Audiol Jpn 56:291-297,2013
3)佐藤美奈子:心因性難聴は治療が必要か? JOHNS 28:319-320,2012
4)Psarommatis I, et al:Pseudohypacusis:the most frequent etiology of sudden hearing loss in children. Eur Arch Otorhinolaryngol 266:1857-1861, 2009
5)泰地秀信・他:小児突発難聴の臨床像についての検討.日耳鼻 115:676-681,2012
6)Jae-Ho Ban, et al:A clinical analysis of psychogenic sudden deafness. Otolaryngol Head Neck Surg 134:970-974, 2006
7)立本圭吾・他:小児心因性難聴の臨床的検討―過去23年間の集計.小児耳18:48-52,1997
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9)佐藤美奈子・他:小児心因性難聴.小児科48:343-349,2007
10)佐藤美奈子・他:シンポジウム―検査結果から考えるdecision making小児耳鼻咽喉科領域の疾患における心理検査―小児心因性難聴を中心に.小児耳26:28-31,2005
11)工藤典代・他:心理発達面からみた心因性難聴児の臨床的研究.小児耳21:30-34,2000
12)芦谷道子・他:小児心因性難聴の身体的・心理社会的臨床像と予後分析.耳鼻臨床105:195-202,2012
13)芦谷道子・他:不注意の問題を伴う小児機能性難聴の知的側面の解析.音声言語医学54:245-250,2013
14)臼井智子・他:心因性難聴から注意欠如・多動性障害(ADHD)が判明した同胞例.小児耳31:324-329,2010
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