文献詳細
文献概要
増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール 部位別診断法 Ⅰ.耳・側頭骨
錐体部病変
著者: 平海晴一1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.62 - P.67
文献購入ページに移動画像診断の狙い
錐体部にできる病変には,神経鞘腫や髄膜腫のような充実性腫瘍と囊胞性病変がある。そのなかで耳鼻咽喉科医が遭遇し,診断・治療を行うものとしては囊胞性病変,なかでも錐体部真珠腫とコレステリン肉芽腫が多い。錐体部真珠腫とコレステリン肉芽腫はいずれも周囲の骨を破壊して増大していく病変であり手術治療が必要であるが,錐体部真珠腫の場合は母膜の完全摘出,コレステリン肉芽腫の場合は開放・ドレナージが第一選択となり,治療方針が異なる。しかしながら錐体部は生検を含めたアプローチが困難な部位で直視もできないことから,両者の鑑別は画像診断で行うこととなる。また,診断がついて手術を行う場合には,顔面神経,内耳,内頸動脈,頸静脈球,S状静脈洞,頭蓋内への進展を正しく評価し,最適な手術アプローチを計画することが重要である。
錐体部にできる病変には,神経鞘腫や髄膜腫のような充実性腫瘍と囊胞性病変がある。そのなかで耳鼻咽喉科医が遭遇し,診断・治療を行うものとしては囊胞性病変,なかでも錐体部真珠腫とコレステリン肉芽腫が多い。錐体部真珠腫とコレステリン肉芽腫はいずれも周囲の骨を破壊して増大していく病変であり手術治療が必要であるが,錐体部真珠腫の場合は母膜の完全摘出,コレステリン肉芽腫の場合は開放・ドレナージが第一選択となり,治療方針が異なる。しかしながら錐体部は生検を含めたアプローチが困難な部位で直視もできないことから,両者の鑑別は画像診断で行うこととなる。また,診断がついて手術を行う場合には,顔面神経,内耳,内頸動脈,頸静脈球,S状静脈洞,頭蓋内への進展を正しく評価し,最適な手術アプローチを計画することが重要である。
参考文献
1)Fitzek C, et al:Diffusion-weighted MRI of cholesteatomas of the petrous bone. J Magn Reson Imaging 15:636-641, 2002
2)Sanna M, et al:Petrous bone cholesteatoma. Skull base surgery 3:21-213, 1993
3)Falcioni M, et al:Cochlear fistula in recurrent cholesteatoma. Otol Neurotol 27:284, 2006
4)Hiraumi H, et al:Lobulated Petrous Apex Cholesterol Granuloma Treated with Infracochlear and Transsphenoidal Approaches. J Int Adv Otol 5:404-407, 2009
5)De Foer B, et al:Diffusion-weighted magnetic resonance imaging of the temporal bone. Neuroradiology 52:785-807, 2010
掲載誌情報