文献詳細
増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法 Ⅰ.耳・側頭骨
文献概要
画像診断の狙い
顔面神経麻痺症例における画像診断の目的は,ズバリ「ベル麻痺をベル麻痺と診断する」ことである。ベル麻痺は末しょう性顔面神経麻痺症例の6~7割を占めるが,このベル麻痺を特発性(原因不明)であると確認するためには,そのほかのハント症候群,外傷,中耳炎,腫瘍などを否定する必要がある。ハント症候群は皮疹・粘膜疹の存在,難聴・めまいの有無ならびに抗水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗体価によって鑑別され,外傷性麻痺と中耳炎性麻痺はその病歴,鼓膜所見よりそれぞれ鑑別可能なので,画像診断の一番の役割は1%程度ながら確実に存在する腫瘍性麻痺をベル麻痺から識別することにほかならない1)。
顔面神経麻痺症例における画像診断の目的は,ズバリ「ベル麻痺をベル麻痺と診断する」ことである。ベル麻痺は末しょう性顔面神経麻痺症例の6~7割を占めるが,このベル麻痺を特発性(原因不明)であると確認するためには,そのほかのハント症候群,外傷,中耳炎,腫瘍などを否定する必要がある。ハント症候群は皮疹・粘膜疹の存在,難聴・めまいの有無ならびに抗水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗体価によって鑑別され,外傷性麻痺と中耳炎性麻痺はその病歴,鼓膜所見よりそれぞれ鑑別可能なので,画像診断の一番の役割は1%程度ながら確実に存在する腫瘍性麻痺をベル麻痺から識別することにほかならない1)。
参考文献
1)濵田昌史:症候・症状からの見方.顔面神経麻痺.ENTコンパス,ライフ・サイエンス,東京,2014,pp 322-323
2)Jackson CG, et al:Facial paralysis of neoplastic origin:Diagnosis and management. Laryngoscope 90:1581-1595, 1980
3)浜田昌史・他:腫瘍による顔面神経麻痺.耳喉頭頸71:907-910,1999
4)Harkin JC, et al:Solitary benign nerve sheath tumors. Tumors of the peripheral nervous system. Armed Forces Institute of Pathology, Washington D.C., 1969, pp 29-64
5)Kertesz TR, et al:Intratemporal facial nerve neuroma:anatomical location and radiological features. Laryngoscope 111:1250-1256, 2001
6)濵田昌史:耳鼻咽喉・頭頸部画像アトラス 耳・側頭骨―顔面神経鞘腫.JOHNS 26:344-346,2010
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