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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻5号

2014年04月発行

文献概要

増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール 部位別診断法 Ⅱ.鼻・副鼻腔 pick upミニレクチャー

上顎洞血瘤腫

著者: 初鹿恭介1 増山敬祐1

所属機関: 1山梨大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科

ページ範囲:P.167 - P.169

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画像診断の狙い

 血瘤腫organized hematomaとは,副鼻腔内で炎症性変化や出血を繰り返しながら器質化し腫瘤となったものや,血管腫の存在によって発生した出血に起因する腫瘤1)であり,鼻出血,鼻閉を生じる。日本や韓国からの報告が大半を占める。好発年齢は20~40歳代と上顎癌より若い。ほとんどが一側性で,上顎洞由来である。

 一見悪性腫瘍との鑑別を要するが,疾患自体は臨床概念であり真の腫瘍ではなく,通常のFESS単独もしくはcaldwell-luc手術で根治できる疾患である。

参考文献

1)Ozaki M, et al:Hemangioma of the nasal cavity and sinuses―a report of twenty five cases. Otolaryngol Head Neck Surg 49:53-58, 1977
2)Kim EY, et al:Sinonasal organized hematoma:CT and MR imaging findings. AJNR Am J Neuroradical 28:1375-1377, 2007
3)尾尻博也:血流腫の画像所見と臨床的事項.耳鼻展望56:85-86,2013
4)重田泰史・他:上顎洞血流腫12症例の臨床検討.耳鼻展望48:8-14,2005
5)Omura G, et al:Organized hematoma in the paranasal sinus and nasal cavity―imaging diagnosis and pathological findings. Auris Nasus Larynx 37:173-177, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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