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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻5号

2014年04月発行

文献概要

増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール 部位別診断法 Ⅴ.頭頸部

先天性囊胞・瘻

著者: 肥後隆三郎1

所属機関: 1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.268 - P.273

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画像診断の狙い

 頭頸部に腫瘤を認めた場合に鑑別すべき疾患は感染性,炎症性,先天性,腫瘍性など多岐にわたる。この項ではこれらのなかで特に頸部の先天性囊胞・瘻に焦点を絞って述べることとする。頸部の先天性囊胞・瘻はもともと稀な疾患ではあるが,それらのなかで比較的頻度が高いのは正中頸囊胞(甲状舌管囊胞),側頸囊胞,下咽頭梨状窩瘻,リンパ管腫である。2007~2013年の7年間に当科を受診し,入院加療に至った症例数の内訳をみると正中頸囊胞と側頸囊胞が7例ずつ,下咽頭梨状窩瘻が1例であった(表1)。リンパ管腫は比較的若年でみつかることが多く小児外科で治療されたり,また当科では硬化療法を行っていないため,この期間内で入院加療した症例はなかった。本稿では正中頸囊胞,側頸囊胞,下咽頭梨状窩瘻の3疾患について画像を供覧し読影のポイントとpitfallについて述べたいと思う。

参考文献

1)城 一也・他:小児甲状舌管囊胞の超音波所見―とくに皮様囊腫,リンパ節との鑑別―.小児外科35:881-888,2003
2)山村幸江・他:正中頸囊胞.耳喉頭頸77:371-374,2005
3)尾尻博也:第2鰓裂囊胞(側頸囊胞)の画像所見と臨床.耳展50:55-60,2007
4)佐藤克郎・他:甲状舌管囊胞乳頭癌4例の臨床的検討.耳鼻臨床101:479-484,2008
5)藤野明浩:頸部瘻・囊胞性疾患の炎症.小児科54:1221-1228,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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