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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻5号

2014年04月発行

増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール

部位別診断法 Ⅴ.頭頸部

リンパ管腫・血管腫

著者: 笹村佳美1

所属機関: 1自治医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.288 - P.294

文献概要

画像診断の狙い

 2013年に血管腫,血管奇形診療ガイドラインが発表され1),ガイドラインによるとリンパ管腫,血管腫はISSVA(International Society of Studying Vascular Anomaly)にもとづき診断,治療を行うことが推奨されている。ISSVAでは,以前はすべて血管腫として扱われていた血管腫,血管奇形がそれぞれ別の疾患と考えられ,リンパ管腫はリンパ管奇形の一種と分類されている。今回は,リンパ管腫においては最も多くみられる囊胞状リンパ管腫,血管腫においては血管奇形ではない腫瘤性疾患について述べる。

 リンパ管腫・血管腫は小児にみられることの多い囊胞性疾患であり,頸部が好発部位となる。ほかの囊胞性疾患として,正中頸囊胞,側頸囊胞などの鰓溝由来の囊胞,ガマ腫,頸部膿瘍などが挙げられるが,これらの疾患も小児に多く,リンパ管腫・血管腫と鑑別すべきである。

参考文献

1)佐々木 了・他:血管腫・血管奇形ガイドライン2013.日本IVR学会,2013,pp6-9
2)笹村佳美:頸部腫瘤.小児科53:837-844,2012
3)藤野明浩:リンパ管腫(リンパ管奇形)の診断・治療戦略.PEPARS 71:68-77,2012
4)本名敏郎:リンパ管腫,血管腫.耳鼻咽喉科診療プラクティス9,小児の耳鼻咽喉科診療,川城信子・他(編).文光堂,東京,2002,pp178-182
5)笹村佳美:OK-432局注により呼吸困難を生じ気管切開術を施行後,全摘を行った頸部の囊胞状リンパ管腫の1乳児例.小児耳18:33-37,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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