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特集 鼻副鼻腔内視鏡手術Update
文献概要
POINT
●アレルギー性鼻炎の外科的治療には,①下鼻甲介粘膜の変性,②下鼻甲介体積の減量,③後鼻神経の機能抑制を目的とした手術がある。
●症状,重症度,鼻腔形態,手術の侵襲度,年齢などを考慮して,術式を選択する。
●内視鏡下では,蝶口蓋孔前下方の下鼻甲介骨膜下に神経血管束が出現し,主に3本の枝に分岐する。この神経血管束は,後鼻神経と蝶口蓋動静脈を含んでいる。
●選択的後鼻神経切断術は,下鼻甲介骨膜下の神経血管束を切除する手術である。下鼻甲介後端への効果と術式の再現性を高めるため,骨膜下を走行する最後端から神経血管束を切除する。また,神経血管束の確認と鼻閉の改善のため下鼻甲介骨切除も併せて行う。
●鼻中隔彎曲症や慢性副鼻腔炎を併発している場合は,鼻腔環境を改善させるため,鼻中隔矯正術や内視鏡下鼻内副鼻腔手術を併せて行う。
●アレルギー性鼻炎の外科的治療には,①下鼻甲介粘膜の変性,②下鼻甲介体積の減量,③後鼻神経の機能抑制を目的とした手術がある。
●症状,重症度,鼻腔形態,手術の侵襲度,年齢などを考慮して,術式を選択する。
●内視鏡下では,蝶口蓋孔前下方の下鼻甲介骨膜下に神経血管束が出現し,主に3本の枝に分岐する。この神経血管束は,後鼻神経と蝶口蓋動静脈を含んでいる。
●選択的後鼻神経切断術は,下鼻甲介骨膜下の神経血管束を切除する手術である。下鼻甲介後端への効果と術式の再現性を高めるため,骨膜下を走行する最後端から神経血管束を切除する。また,神経血管束の確認と鼻閉の改善のため下鼻甲介骨切除も併せて行う。
●鼻中隔彎曲症や慢性副鼻腔炎を併発している場合は,鼻腔環境を改善させるため,鼻中隔矯正術や内視鏡下鼻内副鼻腔手術を併せて行う。
参考文献
1)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン―2013年版.ライフ・サイエンス,東京,2013,pp60-61
2)久保伸夫:アレルギー性鼻炎の手術治療.JOHNS 27:833-837,2011
3)太田伸男:内視鏡下鼻副鼻腔手術のための支援機器 レーザー.JOHNS 24:161-164,2008
4)川村繁樹:鼻アレルギーに対するレーザー手術(表層焼灼術)術後7年の遠隔成績.日鼻誌38:117-121,1999
5)Inouye T, et al:Laser surgery for allergic and hypertrophic rhinitis. Ann Otol Rhinol Laryngol Suppl 180:3-19, 1999
6)Mori S, et al:Long-term effect of submucous turbinectomy in patients with perennial allergic rhinitis. Laryngoscope 112:865-869, 2002
7)川村繁樹:アレルギー性鼻炎の外科的治療の選択をどう考えるか?―粘膜下下甲介骨・後鼻神経切除術の立場から.JOHNS 22:1443-1446,2006
8)林 千江里・他:当院における後鼻神経切断術術後出血の検討.耳鼻臨床(補)126:19-20,2010
9)浦長瀬昌宏・他:粘膜下下鼻甲介骨切除と併用した選択的後鼻神経切断術のアレルギー性鼻炎への有用性に関する検討.日鼻誌52:494-498,2013
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