文献詳細
原著
顔面神経減荷術を行った9症例の治療成績
著者: 池嵜祥司1 大淵豊明1 橋田光一1 喜瀬祥啓1 小泉弘樹1 武永芙美子1 柴田美雅1 鈴木秀明1
所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
ページ範囲:P.571 - P.574
文献概要
末しょう性顔面神経麻痺は,単純ヘルペスウイルスの再活性化によるBell麻痺や水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によるHunt症候群1,2),および外傷に起因する外傷性顔面神経麻痺などに分類される。これらの末しょう性顔面神経麻痺に対し,副腎皮質ステロイド薬(以下,ステロイドと略す)大量療法が高い治癒率を示すことが知られており,わが国でも有効な治療法の1つとして広く用いられている3)。Bell麻痺やHunt症候群の場合は,抗ヘルペスウイルス薬による治療も併用される4,5)。一般に保存的治療の成績は良好で,末しょう性顔面神経麻痺に対する代表的な観血的治療法である顔面神経減荷術の適応となる症例は少ない。今回われわれは,当科で治療を行った末しょう性顔面神経麻痺症例のうち,顔面神経減荷術の適応となり,術後6か月以上追跡し得た9症例につき検討した。
参考文献
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