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原著
下顎正中離断法にて摘出した巨大な副咽頭間隙傍神経節腫の1例
著者: 鈴木法臣1 渡部佳弘2 橋口さゆり1 石岡薫3 川崎泰士1 和佐野浩一郎1 行木一郎太1 行木英生1
所属機関: 1静岡赤十字病院耳鼻咽喉科・気管食道科 2慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科 3国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.575 - P.580
文献購入ページに移動副咽頭間隙は頭蓋底を底,舌骨大角を頂点とする逆円錐形をなしており,内側は咽頭収縮筋,咽頭壁,外側は内側・外側翼突筋,下顎骨,耳下腺深葉,顎二腹筋後腹,後方は椎骨,椎前筋に囲まれている1)。副咽頭間隙には神経系組織(複数の脳神経と自律神経)と脈管系組織(頸動脈,頸静脈,リンパ組織)が脂肪組織に覆われて,頸部と頭蓋内を交通する解剖組織として存在する。副咽頭間隙に発生する原発腫瘍としては神経系起源,脈管系起源,および間葉系起源の腫瘍があるが,さらに間隙の壁を構成する5つの解剖面からも鑑別すべき腫瘍が発生する。
今回われわれは血管網に覆われた巨大な傍神経節腫に対して,手術合併症を最小限に抑えて全摘出するには,どのような配慮が必要であるのかを検討したので報告する。
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