icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科86巻8号

2014年07月発行

原著

耳下部皮膚に自潰したワルチン腫瘍の1例

著者: 吉田亜由1 大月直樹1 米澤宏一郎2 四宮瞳1 川上史3 伊藤智雄3 丹生健一1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 2兵庫県立がんセンター頭頸部外科 3神戸大学医学部附属病院病理診断科

ページ範囲:P.671 - P.674

文献概要

はじめに

 ワルチン腫瘍は耳下腺,特に下極付近に好発し多形腺腫に次いで頻度の高い良性腫瘍である。喫煙歴のある中高年男性に好発し,発育は緩徐で,悪性化もほとんどないことから経過観察されることも少なくない。しかし,時に急に増大する場合や顔面神経麻痺をきたす場合が報告されている。

 今回われわれは耳下部皮膚に自潰し,出血のコントロール目的のため手術を要した耳下腺ワルチン腫瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)広川満良・他:壊死性ワルチン腫瘍の塗沫細胞像.日臨細胞会36:124-127,1997
2)武永芙美子・他:顔面神経麻痺をきたしたワルチン腫瘍の2症例.耳喉頭頸84:49-53,2012
3)佐野真幸・他:側頸部に発生したワルチン腫瘍の1例.耳喉頭頸75:211-213,2003
4)Naujoks C, et al:Bilateral multifocal Warthin's tumors in upper neck lymph nodes. Report of a case and brief review of the literature. Head Face Med 8:11, 2012
5)Ellies M, et al:Exulcerating adenolymphoma of the parotid gland. Case report. Larygo Rhino Otology 74:245-247, 1995
6)Abraham Z, et al:Skin ulcer at the blunt apex of a giant Warthin's tumor. J Dermatol 27:523-528, 2000
7)Starek I, et al:Ulcerating Warthin's tumour. Acta Otolaryngol 124:744-746, 2004
8)Sadahira C, et al:A case of ulcertive Warthin's tumor. J Dermatol 31:779-781, 2004
9)四宮弘隆・他:超高齢者の皮膚自壊を伴う耳下腺ワルチン腫瘍の露出例.頭頸部外科21:287-290,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら