文献詳細
原著
副甲状腺手術後にhungry bone syndromeを発症した原発性副甲状腺機能亢進症の1症例
著者: 越塚慶一12 間多祐輔1 植木雄司1 今野昭義1 佐久間秀夫3
所属機関: 1脳神経疾患研究所総合南東北病院耳鼻咽喉科 2千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教室 3脳神経疾患研究所総合南東北病院病理診断科
ページ範囲:P.771 - P.775
文献概要
副甲状腺に発生する腫瘍は比較的稀な疾患であるが,原発性副甲状腺機能亢進症の原因となることは広く知られている。副甲状腺腫瘍の治療方法は手術による切除であるが,術後にhungry bone syndrome(HBS)を発症する可能性がある。HBSとは過剰に分泌された副甲状腺ホルモン(PTH)により脱無機質化された骨が,手術後に血清カルシウムを貪欲に吸収するために,低カルシウム血症が遷延する病態である。HBSを発症するとカルシウム補正に時間を要するため入院期間の延長や退院後の長期間の内服加療が必要になる。そのため術前のHBSのリスク評価や予防が重要となっている。
今回われわれは,高カルシウム血症を契機に発見され,術後にHBSをきたした原発性副甲状腺機能亢進症の1例を経験したので報告する。
参考文献
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