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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻11号

2015年10月発行

特集 心へのアプローチ—心療耳鼻咽喉科外来

心因性難聴

著者: 坂田英明1 富澤晃文2

所属機関: 1目白大学耳科学研究所クリニック 2目白大学保健医療学部言語聴覚学科

ページ範囲:P.868 - P.876

文献概要

POINT

●病態は,健診難聴,狭義の心因性難聴,ASD,のちに精神神経疾患に移行する場合などさまざまであるので,診断には十分注意が必要。

●訴えがしっかりしている片側性の難聴を突発性難聴と間違えない。

●健診や耳鼻咽喉科での聴力検査の結果に比べ,自覚症状に乏しかったり,保護者も気になっていないことが多い。

●検査は純音聴力検査のみでは不確実であり,SR,OAE,自記オージオグラム,語音明瞭度検査,ABR,ASSRなどを適宜組み合わせる。

●心理カウンセリングが中心となるが,実際は有効であることは少ない。問題点が何であるかを可能な限り明らかにし,悪化させない。発達障害など併存障害ある場合は小児精神神経科と連携する。

参考文献

1)坂田英明:乳幼児の難聴にどう対応したらよいですか.ENT 152:7-15,2013
2)坂田英明・他:難聴・聴力障害.小児看護23:1265-1270,2000
3)小川 郁:小児にみられる機能性難聴.JOHNS 16,2000
4)臼井智子・他:心因性難聴から注意欠如・多動性障害(ADHD)が判明した同胞例.小児耳31:324-329,2010
5)Plomin R, et al:Behavioral genetics in the postgenomic era. American Psychological Association, Washington, 2002
6)工藤典代・他:心理発達面からみた心因性難聴児の臨床的検討.小児耳21:30-34,2000
7)小笠原真弓:自記オージオグラムJerger分類Ⅴ型の発現機序に関する臨床実験的研究.日耳鼻91:1191-1201,1988
8)若林慎一郎・他:児童の機能性感覚障害について.(その2)聴覚障害について.児童青年精神医学31:191-207,1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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