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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻11号

2015年10月発行

文献概要

原著

顎下腺腫瘍における穿刺吸引細胞診の検討

著者: 山田光一郎1 佐藤進一2 土師知行3

所属機関: 1大阪赤十字病院耳鼻咽喉科頭頸部外科 2倉敷中央病院耳鼻咽喉科頭頸部外科 3県立広島大学保健福祉学科コミュニケーション障害学科

ページ範囲:P.937 - P.940

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はじめに

 2005年改訂WHO分類は,唾液腺腫瘍を良性上皮性腫瘍10種類,悪性上皮性腫瘍23種類に分類している1)。唾液腺腫瘍において,穿刺吸引細胞診(FNA)は,簡便性,非侵襲性,安全性,迅速性などの利点から,術前の良・悪性の鑑別ならびに組織型推定目的に広く行われている。以前われわれは,唾液腺腫瘍464例(耳下腺腫瘍380例+顎下腺腫瘍84例)を対象に検討を行ったところ,良・悪性診断における感度は60.4%,特異度は99.7%,正診率は95.0%であったことを報告した2)。唾液腺腫瘍のほとんどは耳下腺腫瘍であり,顎下腺腫瘍のみを対象としたFNAの成績についての報告は比較的少ない。今回われわれは,顎下腺腫瘍症例のみを対象にFNAの有効性について検討した。

参考文献

1)Barnes L, et al:World Health Organization Classification of Tumors, Pathology and Genetics of the Head and Neck Tumours. Chapter 5. IARC Press, Lyon, 2005, pp1-73
2)山田光一郎・他:唾液腺腫瘍における穿刺吸引細胞診の有用性.頭頸部外科24:341-345,2014
3)橘 智靖・他:顎下腺腫瘍38例の臨床統計.耳鼻臨床106:723-728,2013
4)田中伸明・他:顎下腺腫瘍64例の臨床統計.頭頸部外科22:193-198,2012
5)小野智裕・他:当科における顎下腺腫瘍の検討.耳展53:121-125,2010
6)北尾恭子・他:顎下腺悪性腫瘍1次症例の検討.日耳鼻114:126-132,2011
7)別府 武・他:顎下腺癌,舌下腺癌の治療成績と臨床的検討.頭頸部癌31:553-559,2005
8)松吉秀武・他:顎下腺腫瘍についての臨床像および診断・治療に関する検討.頭頸部外科16:69-76,2006
9)八木美歌・他:当科における顎下腺腫瘍27症例の検討.頭頸部外科12:65-69,2002
10)中沢裕子・他:顎下腺腫瘍における細胞診の信頼性と術式選択.耳喉頭頸81:103-107,2009
11)平賀幸弘・他:大唾液腺癌37例の臨床検討.耳鼻臨床106:123-130,2013
12)小林賀子・他:顎下腺腫瘍58例の検討.耳鼻臨床106:221-227,2013
13)上田 大・他:当科における顎下腺腫瘍33症例の臨床統計.耳喉頭頸81:621-625,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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