icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科87巻11号

2015年10月発行

書評

前庭リハビリテーション—めまい・平衡障害に対するアプローチ フリーアクセス

著者: 石川和夫1

所属機関: 1秋田大学大学院 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座

ページ範囲:P.947 - P.947

文献概要

 めまい症例に対するリハビリテーションは,欧米では進んでいる。この問題に携わっている理学療法士(以下,PT)が沢山いて,めまい患者の理学療法に活躍している。既に,彼らは,その面に関するscientistでありprofessionalであるとの認識と誇りを持って活躍している。私が関わって来た国際姿勢歩行学会もリハビリテーションに関わる専門家の参加が大半を占める勢いですらある。

 20世紀半ば近くになって前庭リハビリテーションの有用性についてCawthorneとCookseyが報告した後で,この問題に対する合理性と有用性に関する基礎的根拠をリスザルで示したのがIgarashiであった。奇しくも私がIgarashi研究室に留学していた頃(1982〜1984)盛んに取り組んでいたテーマでもあった。その成果の発表後,急速に臨床応用が進んで現在に至っている。しかし,日本は,この面でやや遅れをとってしまっている。まだ,診療のあらゆる面で医師が関わらなければならないとする瑕疵がその背景にあると思われる。例えば,米国では,PTがBPPVの患者さんに対する理学療法を施行して保険請求できるようになっている。医療を取り巻く環境の違いこそあれ,日本でも,もっと積極的に且つあまねくこの問題を取り扱う医師やPTが増えて医療水準が向上することを慮っていた。そんな矢先に,本書が出版されたことは,まことに喜ばしいことである。こうした問題を取り扱った参考書は本邦では少ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら