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書評
前庭リハビリテーション—めまい・平衡障害に対するアプローチ フリーアクセス
著者: 石川和夫1
所属機関: 1秋田大学大学院 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座
ページ範囲:P.947 - P.947
文献概要
20世紀半ば近くになって前庭リハビリテーションの有用性についてCawthorneとCookseyが報告した後で,この問題に対する合理性と有用性に関する基礎的根拠をリスザルで示したのがIgarashiであった。奇しくも私がIgarashi研究室に留学していた頃(1982〜1984)盛んに取り組んでいたテーマでもあった。その成果の発表後,急速に臨床応用が進んで現在に至っている。しかし,日本は,この面でやや遅れをとってしまっている。まだ,診療のあらゆる面で医師が関わらなければならないとする瑕疵がその背景にあると思われる。例えば,米国では,PTがBPPVの患者さんに対する理学療法を施行して保険請求できるようになっている。医療を取り巻く環境の違いこそあれ,日本でも,もっと積極的に且つあまねくこの問題を取り扱う医師やPTが増えて医療水準が向上することを慮っていた。そんな矢先に,本書が出版されたことは,まことに喜ばしいことである。こうした問題を取り扱った参考書は本邦では少ない。
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