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特集 これだけは知っておこう—鼻出血への対応法 《診断・要因》
凝固能異常
著者: 都築建三1
所属機関: 1兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.982 - P.988
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●止血機構は,血小板,凝固系,線溶系,血管の要素からなり,いずれの障害によっても出血傾向をきたす。
●止血に難渋する鼻出血は,全身疾患の部分症状である可能性がある。
●両側からの鼻出血,全身状態不良(高熱,全身倦怠感など)例には,出血傾向を考える。鼻処置を行った直後から多量の鼻出血が生じて,重篤な全身疾患が発見されることもある。
●血小板数が正常など,一般の止血機能スクリーニング検査では発見できない疾患が潜在する。
●全身疾患(血液疾患など)が疑われれば,速やかに内科専門医へコンサルトする。
●止血機構は,血小板,凝固系,線溶系,血管の要素からなり,いずれの障害によっても出血傾向をきたす。
●止血に難渋する鼻出血は,全身疾患の部分症状である可能性がある。
●両側からの鼻出血,全身状態不良(高熱,全身倦怠感など)例には,出血傾向を考える。鼻処置を行った直後から多量の鼻出血が生じて,重篤な全身疾患が発見されることもある。
●血小板数が正常など,一般の止血機能スクリーニング検査では発見できない疾患が潜在する。
●全身疾患(血液疾患など)が疑われれば,速やかに内科専門医へコンサルトする。
参考文献
1)都築建三・他:鼻出血の処置.外科70:1323-1327,2008
2)奥野敬一郎:全身疾患と鼻出血.JOHNS 21:969-971,2005
3)大森 司:止血機構.カラーテキスト・血液病学,第2版,木崎昌弘(編).中外医学社,東京,2013,pp18-23
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5)岡崎 健・他:重篤な鼻出血から診断されたアグレッシブNK細胞白血病例.耳鼻臨床105:15-20,2012
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7)Aster RH, et al:Drug-induced immune thrombocytopenia. N Engl J Med 357:580-587, 2007
8)都築建三:鼻出血の初期対応とピットフォール.耳鼻臨床106:94-95,2013
9)田中瑛治郎・他:抗血栓療法(抗血小板薬,抗凝固療法,線溶薬)の副作用としての出血.出血性疾患の実践診療マニュアル—すべての臨床医のために.矢冨 裕・他(編).南江堂,東京,2014,pp81-86
10)安藤大樹・他:エマージェンシーへの対応.血液学的エマージェンシー,血液疾患診療ナビ.宮崎 仁(編).南山堂,東京,2010,pp154-163
11)大森 司:血管壁・毛細血管の異常.出血性疾患の実践診療マニュアル—すべての臨床医のために.矢冨 裕・他(編).南江堂,東京,2014,pp88-90
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